社会|2024年9月26日掲載

黒江敏史氏が「なぜ起きる? NCCL」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第59回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第59回WEBINARを開催

 さる9月25日(水)、黒江敏史氏(山形県開業)によるWEBINAR#59「なぜ起きる? NCCL」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、黒江氏らの著書『なぜ起きる? どう対応する? 非う蝕性歯頸部歯質欠損 NCCL』の内容をベースに行われた。

 初めに、本書は日本初のNCCLの書籍となるが、なぜ自身がNCCLを語るのかについて今までの経歴をもとに説明した。その後、Tooth wear、Erosive tooth wear、NCCL、くさび状欠損(WSD)、アブフラクション、酸蝕、咬耗、摩耗の用語の定義について症例写真を交えながらそれぞれの特徴を示したうえで、う蝕と酸蝕の違い、酸蝕と咬耗の違いについてもふれた。

 そして、NCCLの病因論についてアブフラクションの源流となったGrippoの論文や、Lee&Eakleの仮説について、あくまでも一時点の症例を示したものだったことや、仮説にすぎない論文が事実のように扱われてしまった経緯なども織り込みながら、やはりNCCLの原因は摩耗ではないかと検証した。

 最後にNCCLの症例を提示したが、この症例についても、後ろ向きのデータでは原因の検証が推測の域を出ないことから、書籍と同様に発生前から記録のある前向きの症例を揃えることにこだわっていると述べた。

 講演後の質問では、ブラッシング方法についての質問に、NCCLはブラッシングのみでできるわけではなく、研磨剤配合の歯磨剤との組み合わせによって起こることを説明した。

 なお、本Webセミナーの振り返り配信は、2024年12月25日まで購入が可能である。次回のWEBINAR#60は、きたる10月10日(木)、中川洋一氏(新横浜歯科衛生士・歯科技工士専門学校学校長)を招聘し、「舌痛症の本質と新しい治療アプローチ」が開催予定である。申込みはこちらから。

関連する特集

i6 第6回総会開催

教育講演に岡﨑英起氏を招聘し、長期症例を挙げて治療時に重視すべきことが解説される

i6 第6回総会開催

  • 社会
  • 2024年12月24日掲載