2022年4月号掲載
代表理事に就任した(一社)MID-Gの「顔」
学術・教育・経営の三本柱を推奨し、歯科医師・歯科医院の診療環境の整備のために活動している一般社団法人MID-G。毎年の年次総会では国会議員をはじめ著名な講師を招聘し、業界でもつねに注目を集める団体である。本欄では、3月の総会で承認され4月から代表理事に就任する栗林研治氏(千葉県開業)に、今後の抱負とMID-Gにおける歯科医院のありかたについてうかがった。
栗林:2018年にMID-Gの理事に就任し運営に携わってきました。2022年4月から4年間にわたり代表理事を務めさせていただきます。
私はMID-G最高顧問の荒井昌海先生(東京都開業)から教えていただいたMID-Gのマニュアル「歯科医院のシステム構築」のおかげで、2009年に千葉県で開業することができました。その後、2018年には大分県の祖父の歯科医院を医療法人社団の傘下におき、2021年には東京都(丸の内)に開業することができました。当法人の3つの医院でもっとも大事にしていることは「育成」です。その点で、MID-Gの仕組みづくりがおおいに役立っています。
現在、さまざまな研修会やセミナーなどでデジタルコースが多くみられますが、どこも専門医向けのアドバンスな内容になりつつあると感じています。しかし、デジタルとは日常臨床のなかに必然的にあるものなので、一般の歯科医師にとって身近に感じられるデジタルコースが必要不可欠になってくるかと思います。
そこで、2022年度から開講する「デジタルコース」はあくまで一般の歯科医師に向けたコースとなっていて、アライナー矯正(第1回)、デジタル補綴の基礎、睡眠時無呼吸症候群(第2回)、3Dプリンターやデジタルデンチャー、インプラント(第3回)についての内容が中心となります。実際、講師の荒井先生がゼロから検証した実例がベースになっていますので、たいへん実践的です。
また、「TC(トリートメントコーディネーター)学校」というコースも始まります。これは、すでに勤務経験のある歯科助手だけでなく、新人歯科助手も受講対象としています。連続した5日間で基礎知識からロールプレイングまで少人数制で実施します。
私の中でMID-Gという組織は、「教育にエビデンスをもつ」ことも大事ですが、「歯科医院の『ありかた』にエビデンスをもつ」という感覚の方が強いです。いままでのスタディグループは、学術や教育に重点をおいたものが主流でしたが、歯科医院のありかたの方向性を示したスタディグループは聞いたことがなかったからです。
したがって、MID-Gは「歯科医院の『ありかた』」を学べる場所だと感じていますし、今後は日本以外のアジア諸国にもMID-Gのコンセプトを発信し、歯科医院の組織とありかたをリードしていきたいと考えています。やはりMID-Gが提案する診療に専念できる環境づくり「学術」「教育」「経営」が不可欠です。