目次
はじめに
編・著者略歴
本書を読むにあたって
第1章口腔癌検診の目的
口腔癌検診の普及がなぜ必要なのかを考える
はじめに
I 口腔癌の疫学あれこれ
1.どれくらいの罹患率と死亡率なのか
2.性別・年齢でどれくらい差があるのか
3.好発部位とTNM分類から見る口腔癌
4.臨床病理組織的な特徴は何か
II 歯科医師による口腔癌の早期発見・早期治療を考える
1.口腔癌の早期発見のためのシステムづくりとは
2.口腔癌を早く発見する効果
3.アメリカ歯科医師会の口腔癌への取り組み
4.口腔癌は歯科医師がもっとも発見しやすい
III 日本で口腔癌検診はそのように行われているか
第2章口腔癌の臨床と病理
上皮細胞の異形成と口腔癌発生のメカニズムと病理
はじめに
I 口腔粘膜上皮の構造
1.口腔粘膜上皮
2.表皮内のそのほかの細胞
II 発癌のメカニズムは遺伝子の変異にあり
1.卵が先かニワトリが先か
2.変異遺伝子を有する細胞の処理
III 口腔癌の臨床像と病理をよく知ろう
1.口腔癌とは
2.扁平上皮癌はどんな癌か
3.見て診断できる口腔の扁平上皮癌
a.臨床視診型 b.発生部位によって臨床像も変化する
IV ほかにも知っておかなくてはいけない粘膜疾患
1.扁平苔癬
2.カンジダ症
3.乳頭腫
4.尋常性天疱瘡と類天疱瘡
5.線維腫
6.メラニン沈着症
7.そのほかの良性腫瘍
第3章今日の口腔癌の治療
現在、口腔癌の治療はどのように行われているのだろうか
はじめに
I 口腔癌患者への対応
1.初診時に口腔癌が疑われたら
2.完治の基準と治療・経過観察
3.リハビリテーション(補綴・訓練・心理ケア)
II 診断・治療方法
1.画像診断・遺伝子診断
2.主な治療法と補助的治療法
3.手術
4.放射線治療
III 口腔癌の治療の臨床例
1.症例1 舌癌T1N0M0(Stage I)
2.症例2 歯肉癌T1N0M0(Stage I)
3.症例3 歯肉癌T4N2cM0(Stage IV)
IV 地域の歯科医師の口腔ケアへの参加が治療の質を向上させる
第4章口腔癌検診の実際
大学、歯科医師会、行政の連携による口腔癌検診の実際と将来展望
はじめに
I 地域支援病院と歯科医師会、地方自治体との医療連携
1.集団治療
2.個別治療
3.医療連携とその方向性
II 検診事業の流れと診査手順
1.集団検診事業の立ち上げと流れ
2.実施例から口腔癌集団検診の流れをつかむ
III 検診での医療面接と患者への説明
1.検診時の流れと注意点
2.口腔癌の疑いがある受診者への説明例
IV 口腔内外の触診と視診の方法
日本歯科医学会の口腔癌検診のガイドラインから学ぶ
V 検診で必要な細胞診の実際
1.細胞診と組織診の違い
2.細胞の採取
3.細胞診の診断
VI 直接口腔内の病変を染める鑑別
1.生体染色法
2.ヨード染色法
a.ヨード生体染色とは b.ヨード生体染色の原理 c.ヨード生体染色の適応と対象d.染色手順 e.ヨード不染部をどのように考えるか
3.トルイジンブルー生体染色
a.トルイジンブルーの染色部で何がわかるのか b.トルイジンブルーの染色の適応と対象 c.トルイジンブルーの染色手順
4.ヨード・トルイジンブルー生体染色
VII 支援医療機関の支援体制
1.集団検診はどう訴えて、どう運用するのかを考える
2.個別検診を支えるのは歯科医師の意欲
VIII 検診事業の総括と評価
1.行政との協力をどう確保するか
2.口腔癌検診の評価はどのように行われるか
3.口腔癌検診の精度管理とは何か
第5章口腔癌を予防していくには
癌の予防はそう単純でない。国立がんセンターの提唱する「がんを防ぐための12ヵ条」はあらゆる癌の予防の指針となる
はじめに
I さまざまな口腔癌のリスク因子
1.喫煙
2.飲酒
3.物理的刺激
4.化学的刺激
5.炎症による粘膜の傷害
6.ウィルス感染
7.年齢
II 喫煙と飲酒はどれくらい口腔癌に影響するか
1.タバコの発癌性は明らか
2.アルコールの発癌性も考えよう
3.著者らの症例や対照研究から見た喫煙、飲酒のリスク
4.最近の分子生物学的研究レポートからも喫煙、飲酒のリスクは明らかに
III 口腔癌の予防は歯科医師の重要な責務、「予防法」を患者に説明しよう
おわりに
索引