nico 2018年7月号(新聞クイント8月号掲載分)
『キーン!ズキッ!を甘く見ないで。知覚過敏を治したい!』より 山本 寛(東京都開業)
≫nicoの購入はこちらから
「知覚過敏」というと、「たんに歯がしみるだけ。放っておいても大丈夫」というイメージがありますよね。
ところがこのしみる症状、むし歯の痛みの初期症状にそっくりなうえ、歯が欠けたり、削れたり、すっぱいものの過剰摂取で酸蝕症になったりして歯が壊れてきているときにも起きる症状なので、油断大敵なんです。歯が傷んでいる兆候の可能性もあるので、一度歯科医院で診てもらいましょう。
必ず「即日治る」ものではありません。
知覚過敏の症状は、歯の神経で起きる炎症の初期症状とよく似ているため、「これは知覚過敏だ」と即断するのは危険な、確定診断の
難しい症状です。
診察でもレントゲン検査でも「これだ」という原因が見つからないときは、知覚過敏をまねきやすい生活習慣の改善を提案したり、歯を無色透明のコート材で覆ってみて、症状が治まるかどうか経過観察します。
歯のコーティングですぐに症状が止まったならしめたもの。この場合、歯の内部の炎症はとても軽く、外部からの刺激によって神経が興奮して、しみる症状が起きていると鑑別できます。
一方、コーティングをしても「痛みに変化がない」場合は、難治度が高いケース。比較的大きな炎症が歯の内部で起きはじめていることも想定して、治療にあたります。
このように、知覚過敏の治療は「受診して即日治る」ケースばかりではないのです。
生活習慣の改善で治ることも。
軽い知覚過敏なら、生活習慣の改善で自然治癒することも多いです。知覚過敏の原因となりうる生活習慣には、つぎのようなものがあります。
・就寝時の歯ぎしりや食いしばり
・歯みがき時のゴシゴシみがき
・雑な歯みがき
・ スポーツドリンクやかんきつ類など、すっぱい物の摂りすぎ
・ドライマウス
「しみる」症状は、おもに歯の表面を硬く覆っているエナメル質が失われることが原因で起きます。ですから、歯に負荷を与える歯ぎしりや食いしばり、強い力での歯みがき、酸性飲食物による歯の表面の酸蝕、そして歯を補修してくれる唾液の減少などが要因となりえます。
また、意外なようですが、歯みがきは知覚過敏の改善にとても効果の高い方法です。ていねいな歯みがきのみで、症状がかなり改善する方も多いです。歯科医院で応急処置を受けると痛みが減るので、歯みがきも楽になりますよ!
第8回 日本国際歯科大会2018 申込受付中です。
歯科医師求人のことなら【歯科医師求人専門サイト 歯科求人.COM】 概要