nico 2020年5月号(新聞クイント6月号掲載分)
『多因子疾患=むし歯にZOOM!テーラーメイドの予防、受けてる?』より 築山鉄平(福岡県開業)
≫nicoの購入はこちらから
一人ずつ、抱えるリスクは違うから
「自分なりに気をつけているのにむし歯ができてしまう」とお悩みの方、いませんか?むし歯は、いくつもの原因がからんで起きる多因子疾患。さまざまなリスクがかかわっていて、そのうえ患者さんごとにリスクの大小が異なります。ですから、「これさえすれば大丈夫」という一律の予防法は本来ありません。
「テーラーメイド」のむし歯予防とは、患者さんに悪さをしている主要なリスクを選び出し、できるだけ少ない手間と時間で結果の出る対策法をご提案するものです。
たくさんある、むし歯の要因
テーラーメイドの予防のためにもっとも重要といえるのが、お口にひそむ、主要なリスクを患者さんに知ってもらうことです。自分のお口について知り、現状から抜け出すために「何を変えればよいのか」に気づいていただく。「知ること」こそ、新たな一歩を踏み出す原動力となるのです。リスクを選び出すには、次のことを調べます。
・むし歯の経験:未治療のむし歯の有無や、これまでにむし歯治療を受けた歯の本数。
・プラークの量:プラークが歯面の何%くらいに付着しているか。ふだんどんなふうに歯みがきをしているか。
・むし歯菌の数:病原性の強いミュータンス菌がいるか。プラークが多いと増えるラクトバチラス菌はいるか。
・食事習慣:ふだんどんなものを好んで飲食しているか。食事の回数や間食の回数。
・フッ素(フッ化物)の使用:お使いの歯みがき剤に含まれるフッ素の濃度や、歯みがき剤の使いかた、歯科で定期的にフッ素塗布を受けているか。
歯医者さんと二人三脚で予防していこう!
自分の抱えるリスクがわかったとしても、それをターゲットとした予防法を一人でやり遂げるのはたいへん難しいものです。そこで歯科が行っているのが、「予防メインテナンス」という診療システム。
痛くなってから受診するのではなく、ふだんから「予防を目的に」通っていただくことで、お口の健康の長期管理を実現します。具体的には、お口の健康状態とセルフケアのチェック、歯みがきや食生活の指導、セルフケアでは取り切れないプラークを取り除くプロフェッショナルクリーニング、フッ素塗布などを行います。
定期的な歯科受診は、病気を未然に防いだり、お口の変化にいち早く気づいて、病気の進行を防ぐ助けになります。テーラーメイドの予防プログラムと予防メインテナンス。始めてみませんか?
歯科医師求人のことなら【歯科医師求人専門サイト 歯科求人.COM】 概要