社会|2022年2月3日掲載
S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)
松田謙一氏による特別講演が開催され盛会となる
松田氏は講演の中で、①義歯の必要性、②義歯の必要性を判断するポイント、③SDAコンセプト――の3つを提示しながら、みずからかかわった高齢者に対する疫学調査報告をもとに、多くの義歯患者において十分な機能回復や満足度が得られるために、それぞれの患者にあわせた診断と治療計画を立案することの重要性を説いた。また、短縮歯列(SDA)コンセプトについては症例を供覧しながら、有効な咀嚼域面積(機能の保持)が得られるかを判断し、補綴介入を考えることの必要性など示唆に富んだ内容が披露され、参加者の注目を集めた。
続いて、荻野洋一郎氏(九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座クラウンブリッジ補綴学分野准教授)によるメンバー講演「義歯装着者に起こる経時的変化―いい変化、困る変化―」が行われた。荻野氏は、骨吸収による義歯の不具合、義歯の破損や破折、患者の加齢変化など義歯装着者に起こる経時的変化について、起こりうる状態を知ることや、義歯で患者のQOLを高めるための大切さなど、症例をとおしてアピールした。
臨床・研究の第一線で活躍する外部講師を毎月招聘している本会のさらなる活動に注目したい。