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キャップクラスプ

【読み】
きゃっぷくらすぷ
【英語】
cap clasp
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2024年3号
【ページ】
44

キーワード解説

 キャップクラスプとは臼歯の咬合面全体を覆う支台装置で、強力な支持力と咬合力にすぐれた抗回転能を有する。義歯に抗回転能を付与するには種々の設計への工夫が重要となるが、基本的な考え方としては義歯に最大の支持と把持を求めることである。支持機能には支台歯の咬合面を広く被覆するレストが有効であるが、キャップクラスプは咬合面を被覆するため、支持と把持を得ることができる。
 キャップクラスプを用いると、通常の着脱方向においてアンダーカット(歯の形態における陥凹)部で維持力が発現する。しかし、左右すれ違い咬合(左側歯群と右側歯群がすれ違い、咬合位の保持のない状態)症例でインプラントを用いない場合は、回転変位により頬側アンダーカットが無効化されてしまう。その場合は、頬側にしっかりした鉤腕を設計したほうが回転に抵抗できると考えられている。