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高気圧酸素療法(HBO)

【読み】
こうきあつさんそりょうほう
【英語】
hyperbaric oxygen therapy
【書籍】
口腔外科YEARBOOK 一般臨床家,口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’24
【ページ】
38、39

キーワード解説

 高気圧酸素療法は、治療装置の中に90分間ほど入り、2気圧に加圧された環境で100%酸素を吸入することで全身に酸素を供給する治療法である。これにより、血液中に赤血球を介さずに酸素が多くとけるため、赤血球が通過できない狭いエリアにも溶解酸素が届けられる生理的効果、酸素が多く運ばれることでマクロファージや好中球の活性酸素による殺菌効果の上昇による化学的効果、浮腫の縮小にともなう循環障害の改善による物理的効果の3つの効果が発揮される。歯科領域でもっとも難治性の炎症性疾患の1つとされる薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)に対する外科的治療や抗菌薬投与を補助し、効果的に創傷治癒を促進させる目的から、多くの施設で使用されるようになっている。平成30(2018)年度の診療報酬改定で、それ以前の200点から毎回3,000点と15倍に増加したことも普及を後押しする要因となっている。