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慢性閉塞性肺疾患

【読み】
まんせいへいそくせいはいしっかん
【英語】
Chronic Obstructive Pulmonary Disease
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2024年No.5
【ページ】
116

キーワード解説

 慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称。COPDともよばれる。原因のほとんどは、長期間にわたる喫煙の結果、タバコの煙に暴露され続けた気管粘膜が炎症を起こし、やがて回復不可能なダメージを負うことによる。気管の細い部分の粘膜が線維化すれば「慢性気管支炎」、気管末端の肺胞粘膜が破壊されれば「肺気腫」であるが、程度の差こそあれ両者は混在する。症状としては呼吸困難、酸素不足(チアノーゼ)が現れ、重症化すれば心臓に負担をかけて右心不全をきたす(肺性心)。また、COPD患者はつねに息苦しさを訴える。治療は、気管支拡張薬やステロイド薬に加えて、重症の場合には在宅酸素療法(HOT)が行われる。
 インプラント手術に際しては、まずは呼吸しやすい体位を取ることが重要で、横隔膜が下方に下がり肺が広がりやすくなる(起座呼吸ができる)座位とする。術中は酸素飽和度を必ずモニタリングする。基準値は空気吸入時で96%以上であるが、低下するようであれば手術は中止して深呼吸を促す。なお、呼吸不全の重症度評価に用いられるHugh-Jones分類3度以上の場合、インプラント手術は避けたほうがよい。