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歯周-矯正治療の目的と原則

【読み】
ししゅうきょうせいちりょうのげんそく
【英語】
perio-orthodontic purpose and treatment
【書籍】
臨床家のための矯正YEARBOOK2024
【ページ】
10

キーワード解説

歯周-矯正治療の目的は、歯列の改善によるプラークコントロールの向上と外傷性咬合の除去による歯周治療の的確な遂行を実現することと、それによる治療効果の向上、さらに歯周治療終了後の良好な長期的予後獲得である。適応症と禁忌症についても理解する必要があり、とくに治療で歯周組織の安定が得られた部位では矯正力は歯周組織に大きく影響しないものの、歯周炎罹患歯は残存歯周組織の量が減少していることには留意する。矯正力は時に外傷力として作用する危険性も考慮し、付与する矯正力は歯の動揺度やデンタルエックス線画像上での歯槽骨の残存量などを十分に配慮して決める必要がある。また、矯正力の固定源が歯に求められない場合には、インプラントなどを利用することがあるが、いずれにしても良好なプラークコントロール水準の維持が不可欠である。