ポリエステル系樹脂
- 【読み】
- ぽりえすてるけいじゅし
- 【英語】
- polyester resin
- 【書籍】
- ノンメタルクラスプデンチャー 増補新版
- 【ページ】
- 20
キーワード解説
ノンメタルクラスプデンチャー用の樹脂の1つ.ポリエステル系樹脂は,エステショットとエステショットブライト(ともにアイキャスト)の2種類が販売されていたが,現在はエステショットブライトのみが使われている.
エステショットブライトはアクリルレジンよりも適合精度がよく,常温重合レジンとの接着強さもPMMAレジンと同等である.通常の義歯と同様の修理やリラインができるため,第一選択として考えられている.エステショットブライトは,曲げ強さや曲げ弾性率がポリアミド系の「比較的硬い群」に近く,破折リスクは少ない.ただし,ポリアミド系樹脂と比べると,義歯の頬舌回転や水平性遠心回転がコントロールできない症例ではレジンアームの破折が起こることがある.したがって,内側性把持が得られない症例での使用は注意しなければならない.また,歯冠形態にも注意してリカントゥアリング(頬舌側面歯質の削除などにより,歯冠形態を修正すること)が必要なことが多い.常温重合レジンとの接着強さはアクリルレジンと比べてやや劣るものの,アクリル系のアクリトーンに近い.
常温重合レジンとの接着が良好であることは,ポリエステル系樹脂の大きな特徴の1つであり,修理や増歯,リラインがチェアサイドで可能である.