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上顎結節部の結合組織

【読み】
じょうがくけっせつぶのけつごうそしき
【英語】
connective tissue of the maxillary tuberosity
【書籍】
外科術式とlongevityから再考するインプラント周囲組織マネジメント
【ページ】
40

キーワード解説

上顎結節部の結合組織は、結合組織移植術(CTG)を行う際に用いることのできる組織である。
上顎結節部の結合組織の特徴として、口蓋粘膜部のそれに比べて厚みがあり、粘膜固有層が多く粘膜下組織がほとんど存在しないことが挙げられる。また、上顎結節部から採取した結合組織は組成の違いと遺伝子レベルの差により、口蓋の組織に比べて吸収しにくく、サイトケラチン形成力が高いことから角化組織を作る力が強く、過形成の可能性が示されている。
CTG時には、自然観を保ちながらボリュームを増やせる口蓋からの結合組織を使用することが多いが、角化粘膜を増やしたい部位や術後の合併症リスクをなるべく減らしたい場合などには、上顎結節部の結合組織を用いる方法も有効である。ただし、上顎結節部からの結合組織は非常に質がよいという反面、血管成分に乏しく壊死するリスクもあるため、移植の際にはサイズやカバーフラップのデザインを考慮する必要がある。また、同部位の組織量は個人差が大きく、採取量は開口量などにも左右され、テクニックセンシティブな面があることにも留意すべきである。