ナソロジー
- 【読み】
- なそろじー
- 【英語】
- gnathology
- 【書籍】
- 咬合挙上
- 【ページ】
- 24
キーワード解説
ナソロジー(gnathology)は、1920年代の米国でMcCollum、Stallardらが設立したスタディグループ“California Gnathological Society”が提唱した全顎的な咬合治療(咬合再構成)における概念である。日本にナソロジーを紹介した保母須弥也は、ナソロジーを「顎関節の運動を径測(原文ママ)し、それを咬合の診断と治療に用いることを主目的とする学問」と説明し、「咀嚼器官の生理と機能障害とその療法の科学とを、オーラル・リハビリテイションの学問的な裏付けとして提供する」ことが、ナソロジーの重要な役割であると述べている。ナソロジー以前の無歯顎補綴(全部床義歯治療)を前提とした補綴学で推奨されていた咬合様式であるフルバランストオクルージョンが、有歯顎者にはかならずしも推奨されないという流れを主導する役割もナソロジーは果たしており、歯科補綴学の発展への歴史的貢献度は大きい。