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理想咬合

【読み】
りそうこうごう
【英語】
ideal occlusion
【書籍】
咬合挙上
【ページ】
75

キーワード解説

理想咬合という概念は、無歯顎者に対する全部床義歯に付与する咬合様式としてフルバランストオクルージョンを付与するという考えを発端としている。有歯顎者に対する理想的な咬合付与としては、ミューチュアリープロテクテッドオクルージョンまたはグループファンクションが推奨され、さらには咬頭嵌合位を設定する下顎位をポイントセントリックとするか、ロングセントリックを付与するかという議論に発展する一連の咬合論の歴史のなかで刻々と姿を変えてきており、いまだに確固たる定義づけはなされていない。Carlssonは「咬合を概念的に捉えると、理想咬合、生理的咬合、非生理的咬合、治療的咬合の4つに分けられる」とし、「咬合治療を行う際には、その咬合を生理的状態に導けばよく、理想咬合である必要はない」と述べている。なお、理想咬合という言葉は、矯正歯科領域における“平均値(目標値)”としての咬合状態を指す場合もある。