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陥入歯

【読み】
かんにゅうし
【英語】
dens invaginatus
【書籍】
マイクロデンティストリーYEARBOOK2025
【ページ】
74

キーワード解説

陥入歯は、歯の硬組織の発育異常による奇形の1つである。この形態異常は、1856年にSocratesにより最初の報告がなされた。陥入歯は、歯冠の一部が歯根象牙質に陥入して生じたものであり、陥入部の内側にエナメル質が存在するなど、通常の歯髄腔と異なる解剖を有している。陥入歯の多くは上顎側切歯に発生する。
Oehlersは、陥入歯のタイプを、陥入の程度や歯根膜腔との交通の有無を基準に3つの形態に分類している。TypeⅠは、陥入が歯冠部に限局しているものである。TypeⅡは、陥入がセメント-エナメル境の下まで達し、隣接する歯髄と連絡するかしないかの盲嚢で終わる。TypeⅢでは、歯根まで侵襲が及び、根尖部または外側根尖部を穿孔し、口腔から骨内歯根膜組織へ直接連絡するが、歯髄とは直接連絡しない。