緩衝作用
- 【読み】
- かんしょうさよう
- 【英語】
- buffer capacity
- 【書籍】
- 歯科衛生士 2025年5月号
- 【ページ】
- 58
キーワード解説
緩衝作用とは口腔内のpHを中性に保つ作用で、う蝕を強く抑制する。糖を摂取すると、プラーク中のう蝕原性細菌が糖を分解し、乳酸などの有機酸を産生するため、プラーク中のpHは急激に低下する。その後、唾液の緩衝作用によって酸が中和され、約30~60分かけてpHは徐々に回復する。
「糖を摂取するとプラーク中のpHが急激に低下し、その後、徐々に回復する」という流れを示したものが、ステファンカーブ(Stephan curve)で、歯のエナメル質が脱灰を始めるpH値を臨界pHと呼ぶ。臨界pHは約5.5で、プラーク中のpHがこの値を下回ると、歯の表面から脱灰が進行する。唾液の緩衝作用によってpHが臨界pH以上に回復することで、再石灰化が促され、う蝕の進行を防ぐ。