専門情報検索 お試し版

最適矯正力

【読み】
さいてききょうせいりょく
【英語】
optimal orthodontic force
【書籍】
LOTを知る
【ページ】
54

キーワード解説

移動方向や歯列中の部位によって生じてくる歯槽骨の生物学的反応の差が,固定歯を大きく動かし,ひいては顎位を変化させてしまう場合もある.顎位を変えないということは,LOTの原則でもあるため,移動対象歯を効率よく動かし,かつ反作用の力を最小限にするには,最適矯正力をメカニクスに適用する必要がある.最適矯正力は,歯根膜腔において骨改造にかかわる細胞を壊死させない(血流を維持できる)最大の圧力であり,圧迫側で直接性の骨吸収を引き起こすことができる.その力は,歯の移動方向からみた歯根膜の投影面積に比例すると考えられている.したがって,圧下や挺出については,歯体や傾斜移動に比べると歯根膜の投影面積が小さいため,必要となる力はずっと小さい.動きにくいから必ずしも最適矯正力が大きいというわけではないことに注目したい.