目次
プロローグ
本書を読み進める前に、検討してみよう6症例
第1章 咬合補綴治療の目的と指標
1.咬合補綴治療の目的
2.顎口腔系の生理的関係から咬合を分類する
3.咬合補綴治療の治療位はICP? CR?
3-1 顎口腔系の生理的基本事項
1) 顎口腔系の機能を司る基本組織と生理的要素
2) 顎口腔系の生理的観点から見た中心位の定義と作業位としての意義
4.下顎位の生理的要素
5.咬合(歯単位)の基本要素
5-1 臼歯部は適正な咬合高径で、バーティカルストップが確立されていること
5-2 前歯部はアンテリアガイダンスが確立されていること
6.アンテリアガイダンスの有無と筋活性
第2章 咬合補綴治療の分類と治療の流れ
1.咬合補綴治療の分類
2.症例を分類し分析する習慣をもつ
考えてみよう1 前歯1本の症例でも…
症例1 / 症例2
考えてみよう2 同じようなブリッジ症例であるが…
症例3 / 症例4
考えてみよう3 アンテリアガイダンスの確立 治療計画も似ているのだろうか…
症例5 / 症例6
考えてみよう4 なぜこのようにフレアーアウトしてしまったのか?
症例7 / 症例8
考えてみよう5 片側インプラント 欠損部位にだけ目を向けがちだが…
(臨床でよく遭遇する、予算の壁との兼ね合い)
症例9 / 症例10
考えてみよう6 多数歯欠損に対するインプラント治療
症例11 / 症例12
考えてみよう7 ブラキシズム症例
症例13 / 症例14
考えてみよう8 歯周補綴症例
症例15 / 症例16
3.分類ごとに必要な診査とは
Class I 簡単な修復治療
Class II クラウン&ブリッジ&インプラント
Class III オクルーザルリコンストラクション&インプラント
Class IV 歯周補綴治療&インプラント
第3章 咬合補綴治療のための診査事項
―症例に応じて必要な診査を見極める―
1.咬合補綴治療のための診査事項
2.一般診査
1) 全身的因子
2) 局所的因子
3.臨床的な診査
3-1 歯科的病歴の問診
3-2 エックス線写真診査
1) デンタルエックス線写真で何が見えるか
2) パノラマエックス線写真で何が見えるか
3-3 最大咬頭嵌合位(ICP)からの咬頭干渉などの咬合診査
3-4 歯周病の診査
1) 視診などによる所見
2) エックス線写真所見
3-5 筋の触診
1) 顔貌の左右対称性の観察
2) 筋の触診
3-6 顎関節の触診・問診
1) 触診のしかた
2) 開閉口経路の確認
3) 最大開口量の測定
3-7 唾液の診査(唾液量・緩衝能)
3-8 早期接触の有無の確認(中心位から最大咬頭嵌合位への偏位の有無)
3-9 スタディモデルでの診査
3-10 口腔内および顔貌の写真診査
3-11 口腔内細菌検査
3-12 顎機能の精細な診査
1) フェイスボートランスファー
2) 顎間記録(中心位・生理的顆頭安定位の記録(CRバイト)と最大咬頭嵌合位の記録(マッシュバイト))
3) 偏心運動記録(チェックバイトレコード)
3-13 顎関節規格写真・CT・MRIでの精細な診査
1) 顎関節規格写真での診査
2) CT画像(computed tomography)での診査
3) CTの三次元立体画像での診査
4) MRI画像(magnetic resonance imaging:磁気共鳴映像)での診査
5) 矯正学的診査のセファロ分析
6) インプラントのためのCT、三次元立体画像分析
4.診査の流れと評価・診断の実際
4-1 患者の問題点の抽出
1) 歯科的既往の問診
2) 本症例に必要な診査とその結果
4-2 診査結果の評価と診断
4-3 治療計画
1) 咬合治療の目的
2) 治療計画
4-4 治療計画に基づいた治療
第4章 複雑な咬合補綴治療の実際
―診査・診断の後、どのように治療を進めるか―
1.咬合補綴治療の流れ
2.治療目標と最終ゴールをイメージしたワックスアップ
3.プロビジョナルレストレーション
4.クロスマウントプロシージャー
プロビジョナルレストレーションの活用とクロスマウントプロシージャーの実際
5.補綴物のスプリンティング(固定)
5-1 適応症
5-2 禁忌症
5-3 スプリンティングデザインの評価
6.咬合平面の角度の設定と咀嚼ストロークの関係
7.咬合接触の与えかたと調製法
7-1 咬合接触の与えかた
7-2 咬合接触の調製法
第5章 咬合補綴治療を行うにあたり知っておきたい基本事項
1.顎口腔系の機能 Function
1-1 生理的機能(オルソファンクション)
1) 咀嚼
2) 会話
3) 嚥下
4) 脳・神経系の活性化
5) 頭蓋骨の活性化
1-2 非生理的機能(パラファンクション)
1) ブラキシズム・クレンチング
2) 脳・神経系の恒常化
2.生物学 Biology
2-1 顎口腔系の生物学
1) 歯根膜感覚
2) 筋感覚
3) 咀嚼筋の働き
4) 顎関節の生物学
5) 顎口腔系の生物学
2-2 歯周組織の生物学
1) 歯周組織を脅かす要因
2) 歯と歯周組織の健康な関係とは
3.補綴物の構造 Structure
3-1 修復材料の空間(スペース)
3-2 支台歯の脱離力への抵抗形態
3-3 ダウエルコア
1) 根管治療
2) 支台築造 ダウエルコアの構造とフェルール効果
(1)フェルール効果について / (2)ダウエル部について
3) 接着性レジン支台築造
3-4 修復治療・補綴治療に使用する材料
1) コンポジットレジン修復
2) メタルインレー、アンレー
3) ポーセレンインレー、アンレー、ベニア
4) メタルクラウン、ブリッジ
5) セラモメタルクラウン、ブリッジ
6) オールセラミッククラウン、ブリッジ
4.エステティック Esthetics
4-1 顔面の評価・フェイシャルエステティック
1) 顔面の正中 midline、対象性 symmetry、均衡 balance
4-2 歯―歯列―歯肉―歯槽骨―顎骨―口唇―顔面の評価
1) 歯の位置と歯列
2) 歯肉と歯槽骨
3) 顎骨―口唇―顔貌
第6章 咬合によるバイオメカニカルストレスの臨床的影響
1.顎口腔系に生じるメカニカルストレスの影響
2.歯へのメカニカルストレスの影響
2-1 歯の摩耗
2-2 知覚過敏
2-3 アブフラクション
2-4 歯の破折
2-5 歯の位置移動
3.歯周組織へのメカニカルストレスの影響
4.筋肉へのメカニカルストレスの影響
5.顎関節へのメカニカルストレスの影響
5-1 顆頭と関節円板の位置異常
1) 関節雑音について
2) クローズドロックとオープンロックについて
5-2 顆頭の形態の変化
5-3 顆頭と円板後部組織の関連と影響
第7章 中心位の定義と生理的顆頭安定位の解釈
1.中心位の定義の変遷
2.顎関節規格写真による顆頭の位置と症状の比較
3.顆頭の位置と咬合は関係があるのか?
症例1 / 症例2 / 症例3 / 症例4 / 症例5
4.エックス線画像だけでは顆頭位の判定が困難な症例もある
第8章 スタディモデル 診断用模型の重要性
1.咬合補綴治療におけるスタディモデルの位置づけ
1) Class I・II症例
2) Class III・IV症例
2.スタディモデルの臨床的活用
症例1
3.咬合器に模型を装着する意義
4.咬合器の選択
4-1 計画している補綴治療の範囲により咬合器を選択する
4-2 使用する咬合器の再現可能限界を知る
5.パナデント咬合器
CPIグラフペーパーの見かた
第9章 アンテリアガイダンス
1.アンテリアガイダンスの重要性
2.咀嚼ストローク
3.ディスクルージョン(臼歯離開)
3-1 前方運動時ディスクルージョン
3-2 側方運動時ディスクルージョン
3-3 ディスクルージョンの与えかた
参考症例1&2
第10章 咬合高径
1.咬合高径の評価の必要性
2.咬合高径の平衡理論
3.咬合高径決定の判断基準
症例1 / 症例2
4.咬合高径決定要素 種々の検討
4-1 咬合力(bite force)による検討
4-2 発音(phonetic)による検討
4-3 free way spaceによる検討
4-4 trial splintによる検討
4-5 マイオモニターなどのエレクトロニクスによる検討
4-6 CEJの平均値との比較による検討
4-7 facial estheticによる検討
4-8 下顎位と挙上筋との関係からの検討
4-9 顎運動の回転の範囲での検討
症例3
4-10 模型上での検討
症例4
4-11 セファロ分析による検討
5.生理的範囲での咬合高径変更の可能性
第11章 TMDをともなった症例の補綴治療
1.TMDと咬合の関係
2.TMD症状を有する患者の補綴治療
参考症例1
第12章 ブラキサーの補綴治療の留意点
1.パラファンクションとは
2.水平的ブラキサー
3.垂直的ブラキサー
4.下顎の偏位や干渉歯の影響を受けたブラキサー
参考症例1
5.注意すべきパラファンクションの信号
参考症例2
6.パラファンクションの原因
6-1 情動ストレス(中枢性の要因)
6-2 睡眠障害(中枢性の要因)
6-3 咬合(末梢性の要因)
1) 咬頭干渉
2) 下顎の偏位(CR-ICPのズレ)
6-4 遺伝的要因
7.パラファンクションとストレス解消機構
8.ストレスと摩耗についての実験
第13章 インプラント補綴治療での咬合
1.インプラント補綴治療での咬合の留意点
1-1 インプラント補綴治療の咬合位
1-2 インプラント補綴治療におけるアンテリアガイダンス
参考症例1
2.ブリッジとインプラント補綴治療の選択評価
2-1 ブリッジかインプラント補綴治療かの評価点
2-2 ブリッジの力学的評価
第14章 オクルーザルアプライアンス(スプリント)の有効活用
1.オクルーザルアプライアンスの目的
2.オクルーザルアプライアンスの種類
2-1 スタビライゼーション型スプリント / ナイトガード
2-2 前方整位型スプリント
2-3 アンテリア型スプリント
2-4 下顎型スプリント / ナイトガード
3.スプリントの臨床目的
3-1 顎関節症や筋痛など、いわゆるTMDの症状軽減
3-2 咬合再構成治療を行うにあたっての作業上の必要性から(筋の緊張緩和、下顎位の模索のために使用)
3-3 パラファンクションからの歯の保護
参考症例1&2
3-4 パラファンクションからの補綴物の保護
参考症例3&4
4.オクルーザルアプライアンス(スプリント)の製作
エピローグ
参考文献
索引