目次
CHAPTER 1 導入─顎関節症(TMD)の概念の変遷
TMDの歴史/大変革期/1990年代後半─TMDからOFP(口腔顔面痛)へ/疼痛性疾患としてのTMD/TMDはOFPの1つ、しかし最も重要な1つ
CHAPTER 2 TMDの概念と定義
概念にともなう名称の変化/“TMD/顎関節症”の定義/診断名の表記法/関節性TMDと筋性TMD/どこまでをTMDというか─併存という概念/TMDは疼痛性疾患の1つであるという概念をもつ
CHAPTER 3 現在TMDはどう理解されるようになったか
TMD治療の変遷と現在の論点/TMDの病因/TMDの診断と検査/TMDの分類/TMDの治療/TMDの長期管理
CHAPTER 4 解剖
骨/関節円板/円板靭帯/関節円板後部組織/上下関節腔/関節包/滑膜,滑液/靭帯/筋/歯/血管と神経
CHAPTER 5 TMDの症状とその病態
疼痛/開口障害/関節雑音
CHAPTER 6 病因論(総論:TMDの原因)
集団レベルでの考え方/個体レベルでの考え方
CHAPTER 7 病因論(各論:心理社会的要因)
complex case と心理社会的要因/TMDに精神医学を取り入れる意義/TMDの診断に必要な精神疾患についての知識/TMDに併存しやすい精神疾患
CHAPTER 8 病因論(各論: パラファンクションと悪習癖)
パラファンクションはTMDのリスクファクター/ブラキシズムについての知識/睡眠関連ブラキシズム/TMD症状の原因となるその他の悪習癖
CHAPTER 9 病因論(各論:咬合)
咬合とTMDの関係/歯科治療後に発症したTMD/なぜ「治る」のか/TMDの予防や治療を目的に咬合治療をしてはいけない
CHAPTER 10 問診・診査・検査
診察を始める前に/診察の実際/他科への依頼
CHAPTER 11 TMDの分類と診断
AAOP のTMD分類と日本顎関節学会の顎関節症分類の違い/診断基準という概念を用いる/AAOP の分類と診断基準/頭蓋骨疾患による頭痛と顔面痛/顎関節障害/咀嚼筋障害
CHAPTER 12 治療(総論)
治療のゴール/TMD治療の原則/治療法の分類/TMDの治療戦略
CHAPTER 13 治療(各論:物理医学療法および認知行動療法)
物理医学療法/認知行動療法
CHAPTER 14 治療(各論:患者説明とセルフケア)
患者説明/セルフケア
CHAPTER 15 治療(各論:スプリント療法)
疼痛やブラキシズムの抑制に対するスプリントの有効性は疑問視されている/スプリントに期待できるその他の効果/スプリントの種類/スプリントを用いないと保険点数が取れない現状/スプリント治療の実際
CHAPTER 16 治療(各論:薬物療法)
薬物の選択/鎮痛薬/筋弛緩薬/ベンゾジアゼピン/抗うつ薬
CHAPTER 17 治療(各論:顎関節症の外科療法)
顎関節に対する外科療法/咀嚼筋に対する外科療法
CHAPTER 18 TMDの鑑別診断
鑑別診断としてのOFP(口腔顔面痛)という概念/complex case である理由/鑑別に必要な知識/実践編:顎関節症と鑑別が必要な疾患
CHAPTER 19 症例集
診断のまとめ/鑑別診断/治療/症例集
CHAPTER 20 プラセボ反応と治療反応:TMD治療への実践的応用
プラセボの歴史/プラセボ反応に対する現在の見解/プラセボが奏効する機序についての説明モデル/画像研究/鍼治療─本物と偽(プラセボ)の効果/プラセボ反応の再概念化/プラセボ効果とプラセボ反応の新たな概念を応用したTMD治療
■ REFERENCE 1 AADR によるTMDの診断と治療に関する方針声明
■ REFERENCE 2 TMD専門医が読んでおくべき論文のリスト