目次
Prologue 刊行にあたって
金子 譲
Chapter 1 図解 歯科臨床における神経損傷後のしびれと痛み
福田謙一
1)神経損傷後,何が起きるのか
2)しびれはなぜ発生するか
3)痛みはなぜ発生するか
4)歯科領域における神経障害の種類と様式
Chapter 2 症例検討
1.症例検討にあたって
福田謙一
[症例提示]
1 局所麻酔針による損傷後
症例1
舌神経支配領域のしびれと痛み
─半年経て,軽快しているものの後遺している症例(56歳・女性)─
福田謙一
症例2
オトガイ神経支配領域のしびれ
─半年間治療,軽快しているものの後遺している症例(33歳・女性)─
齋田菜緒子
症例3
頬神経支配領域のしびれと痛み
─1年経て後遺している症例(48歳・女性)─
笠原正貴
症例4
舌神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(38歳・女性)─
福田謙一
2 根管治療後
症例5
オトガイ神経支配領域のしびれ
─数か月で完全回復した症例(36歳・男性)─
一戸達也
症例6
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(42歳・女性)─
福田謙一
症例7
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(57歳・女性)─
松浦信幸
3 智歯抜歯後
症例8
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─数週間で完全回復した症例(31歳・女性)─
福田謙一
症例9
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─数週間でほぼ完全回復した症例(38歳・女性)─
福田謙一
症例10
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─半年経て,治療,軽快しているものの後遺している症例(44歳・女性)─
福田謙一
症例11
舌神経支配領域のしびれと痛み
─半年経て,軽快しているものの後遺している症例(39歳・男性)─
福田謙一
症例12
舌神経支配領域のしびれと痛み
─神経縫合術を行い予後が良好な症例(33歳・女性)─
半田俊之
4 口腔インプラント埋入手術後
症例13
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─数か月で完全回復した症例(48歳・女性)─
福田謙一
症例14
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─数か月で完全回復した症例(ブレード型インプラントの沈下)(51歳・女性)─
福田謙一
症例15
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─3年経て後遺している症例(72歳・女性)─
福田謙一
症例16
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─神経縫合手術を施行した症例(62歳・女性)─
柴原孝彦
症例17
オトガイ神経支配領域のしびれ
─早期神経修復手術適応により良好な経過を示した一例(60代・女性)─
高崎義人
症例18
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─インプラント埋入術後に感覚脱失した症例(58歳・女性)─
松浦信幸
5 外傷後
症例19
骨折後のオトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(32歳・男性)─
半田俊之
症例20
骨折後の眼窩下神経支配領域のしびれ
─数か月で完全回復した症例(28歳・男性)─
半田俊之
6 腫瘍切除後
症例21
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─6年後に再発した症例(68歳・男性)─
福田謙一
症例22
悪性腫瘍切除術後のオトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋していた症例(59歳・女性)─
福田謙一
症例23
悪性腫瘍切除術後のオトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(70歳・女性)─
笠原正貴
症例24
良性腫瘍切除術後の顔面のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(73歳・男性)─
笠原正貴
7 義歯装着後
症例25
義歯によるオトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋していた症例(78歳・女性)─
福田謙一
8 顎矯正手術後
症例26
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─良好な経過をたどった症例(24歳・女性)─
半田俊之
症例27
オトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─半年経て,治療,軽快しているものの後遺している症例(33歳・女性)─
齋田菜緒子
症例28
下顎枝矢状分割術術後のオトガイ神経支配領域のしびれと痛み
─除痛に難渋した症例(17歳・女性)─
半田俊之
9 抜歯後の異常痛
症例29
上顎小臼歯抜歯後のしびれ・かゆみ・痛み
─除痛に難渋していた症例(63歳・女性)─
福田謙一
症例30
下顎大臼歯抜歯後の痛み
─除痛に難渋していた症例(55歳・男性)─
福田謙一
Chapter 3 感覚神経損傷後の臨床的評価・予後診断
1.評価の目的と予後診断
今村佳樹
1)評価の目的と患者への説明の必要性
2)感覚神経障害後に生じうる感覚の変化
3)何を評価するか
4)いつ評価するか
2.感覚鈍麻の評価
椎葉俊司
はじめに
1)感覚検査の基本
2)感覚検査の実際 ─開業歯科医院でできる検査─
3)感覚検査の実際 ─より専門的な検査─ 特別な機器を用いて行う検査法
3.異常感覚の評価
瀬尾憲司
はじめに
1)異常感覚の種類
2)異常感覚の評価
おわりに
4.痛みの評価
福田謙一
はじめに
1)問診
2)痛みの強さの測定
3)薬理学的疼痛機序判別試験(ドラッグチャレンジテスト)
4)各種検査
5.口腔顔面の末梢神経の画像評価
照光 真
1)可視化:見えるということ
2)末梢神経障害の画像化に要求される条件
3)MR Neurography(MRN)
4)高磁場(3.0Tesla)MRIによる高解像度 Neurography(3DVR─MRN)の試み
5)3DVR─MRNによる病的所見
6)MRIの他撮像法との併用
まとめ
Chapter 4 感覚神経損傷後の治療法の選択および予後説明
1.治療法の選択および予後説明
今村佳樹
はじめに
1)症状の自然寛解の観察期間は受傷後1週まで
2)神経傷害後1か月以内に行うべき対応
3)神経傷害後1か月以降に行うべき対応
2.星状神経節ブロック
一戸達也
1)星状神経節
2)星状神経節ブロックの目的
3)星状神経節ブロックの術式
4)星状神経節ブロック施行後の症状
5)星状神経節ブロックの適応症
6)星状神経節ブロック時の組織血流量の変化
7)星状神経節ブロック後の神経損傷の回復
3.薬物療法
一戸達也
はじめに
1)しびれの薬物療法
2)痛みの薬物療法
おわりに
4.薬物の局所療法
福田謙一
1)局所療法に使用する薬剤
2)口腔内ステント療法
5.外科的治療
高崎義人
1)神経損傷に対する外科的治療には何があるか?
2)神経修復手術の適応症は?
3)手術適応時期は?
4)神経修復手術はどのように行われるか?
6.光線療法
半田俊之
はじめに
1)各種光線療法の特徴
2)光線療法の作用機序
3)光線療法の実際
まとめ
7.漢方療法
笠原正貴
はじめに
1)歯科におけるしびれと痛みに直接効果のある漢方製剤の例
2)歯科におけるしびれと痛みに間接効果のある漢方製剤の例
8.鍼灸治療
渋谷 鉱
はじめに
1)鍼灸治療
2)鍼灸の適応疾患
3)経路・経穴
4)鍼灸の作用機序
おわりに
Chapter 5 心身医学的療法
嶋田昌彦
1)診察および検査
2)心身医学的療法の適応
3)心理療法
4)薬物療法
Chapter 6 医療事故対応
佐久間泰司
はじめに
1)法的責任とその対応
2)法的責任以外への対応
3)しびれや痛み:事前対応
4)しびれや痛み:事故直後の対応
Chapter 7 予防とインフォームドコンセント
1.智歯抜歯前の対応
髙野正行
はじめに
1)智歯と下顎管の解剖学的位置関係の確認
2)説明責任とインフォームドコンセント
3)障害の予防 ─適切な抜歯操作の修得
まとめ
2.口腔インプラント埋入手術前の対応
武田孝之
1)インプラント治療の目的と合併症が落とす影
2)神経障害の現状
3)神経損傷を回避するための予防策
4)術前の患者説明のポイント
Chapter 8 歯科における感覚神経の臨床解剖
阿部伸一
井出吉信
はじめに
1)上顎神経
2)下顎神経
Chapter 9 歯科における感覚神経の臨床生理
澁川義幸
市川秀樹
はじめに
1)感覚機能を理解するための神経機能
2)顎顔面口腔機能を理解するための臨床神経生理学
3)神経細胞(ニューロン)によって感覚情報は運ばれる
4)感覚とは何か:生体恒常性を維持し制御する生体センサー
5)感覚障害の臨床生理と感覚機能の評価
Chapter 10 歯科領域における神経損傷後治癒過程の様式
1.神経損傷・回復の病態生理
田﨑雅和
はじめに
1)口腔粘膜に分布する感覚神経終末と電気生理学的応答
2)感覚神経線維の変性と再生
まとめ
2.神経損傷・回復の分子生物学
金銅英二
はじめに
1)中枢性感作(central sensitization)
2)末梢性感作(peripheral sensitization)
3)損傷や炎症による細胞内の変化(遺伝子発現)
4)グリア細胞と慢性疼痛
5)自律神経と慢性疼痛
6)サイトカインと痛み
7)抑制性介在神経と脱抑制(cl
─チャネル,KCC2コトランスポーター)
まとめ
3.神経損傷・回復の電気生理
岩田幸一
篠田雅路
はじめに
1)歯根膜における感覚受容器の再生
2)下歯槽神経切断後に発症する異常疼痛行動
3)再生下歯槽神経の電気生理学的性質
4)三叉神経脊髄路核尾側亜核ニューロンの電気生理学的性質
5)グリア細胞の動態とニューロン活動の変調
おわりに
Epilogue 今後の課題
一戸達也
●索引