目次
Chapter 1
SENSE 明日の歯科医療を描く視点
森 直基
Chapter 1-1 この患者が来院したら、あなたはどのような治療を行うか?
1.診査・診断と治療計画の関係
2.治療計画立案時に付加すべき患者の背景
1)患者の意欲
2)患者の年齢
3)治療費
4)バイオロジカルコスト
Chapter 1-2 臨床経験(experience)とEBM(evidence-based medicine)
1.歯科医師の成長に欠かせない臨床経験
1)臨床は「1+1=2」ではない
2)臨床経験とエビデンス
2.EBMのありかた
3.戦略(治療計画)と戦術(テクニック)
Chapter 1-3 歯科医師の役割
1.歯科医療はどうあるべきか
2.社会貢献と歯科医師
3.歯科医師の価値 VS. 歯の価値
Chapter 2
LIFE 患者に幸福感と安心感を与えるには
飯田啓介
Chapter 2-1 治療計画の立案と実行に必要な6つの感性
1.デザイン(Design)
2.物語(Story)
3.調和(Symphony)
4.共感(Empathy)
5.遊び心 (Play)
6.生きがい(Meaning)
Chapter 2-2 QOL向上のために必要なこと
1.咀嚼機能
1)栄養摂取
2)ストレス管理
3)その他、全身への作用と咀嚼指導
2.顔貌の審美
1)顔の社会的役割
2)笑顔の重要性
3)Facially generated treatment planning
Chapter 2-3 幸福感と安心感のある治療計画
1.診断と治療計画の考えかた
1)『診断』が意味すること
2)治療ゴールの考えかた
3)治療ゴールの設定と治療方法の選択、治療順序の組み立て
4)治療計画立案が難しい理由
2.時間軸を考慮した治療計画
3.治療計画では骨格も考慮する
4.コントロールが困難なこと
1)無髄歯の強度
2)咬合力
Chapter 2-4 患者に安心感を与えるコンサルテーション
1.今求められる『患者に適切に伝える能力』
2.コンサルテーションを行う環境
3.コンサルテーションの流れ
4.コンサルテーションでは、将来の予測とその解決策も示す
Chapter 3
LONGEVITY 患者の将来を考慮した歯科治療
前田潤一郎
Chapter 3-1 患者の将来を考慮した歯科治療を実践する上で求められる視点
1.日本の保険制度がもたらしたもの
2.歯科医療はどうあるべきか
3.歯科医師はどうあるべきか
Chapter 3-2 欠損歯列の拡大抑制を目指した歯科医療の実践
1.8020運動とその意義
2.歯科におけるアンチエイジング
1)ステージ1 中間歯欠損(はじめの一歩)
2)ステージ2 遊離端欠損(欠損の拡大)
3)ステージ3 すれ違い咬合(もっとも噛めない状況)
4)ステージ4 無歯顎(このままではまったく噛めない状況)
3.健康寿命延伸に寄与する歯科医療を目指そう
Chapter 3-3 治療計画を決定する要素
Chapter 4
QUARITY 患者は何を求めているか
吉竹弘行
Chapter 4-1 ニーズは変わる
1.『生理的欲求』『安全性欲求』と歯科治療
2.『社会的欲求』『自我の欲求』と歯科治療
3.『自己実現欲求』と歯科治療
Chapter 4-2 高齢者・若年者に求められる最適な歯科医療とは
1.高齢者に求められる歯科医療とは
2.若年者に求められる歯科医療とは
Chapter 4-3 日本の歯科医療が抱える問題点
1.数の上に成り立っている日本の歯科医療制度
2.このままでは維持できなくなる現行の医療制度
Chapter 4-4 歯科医療の社会的な変遷
1.歯科医療の歴史的変遷
1)歯科医師1人による歯科医療から、チーム医療の時代へ
(Interdisciplinary approach)
2)EBMからNBMへ
3)全身とのかかわり(医科との連係)
2.歯科医療の臨床的変遷
1)補綴(技工)重視の時代
2)歯周補綴の時代
3)インプラントの時代
4)Minimal Intervention(MI)の時代
5)CAD/CAMの時代
3.患者側の変遷
4.歯科医療のこれから
1)う蝕、歯周病と全身疾患とのかかわり
2)歯科医療と高齢者
Chapter 5
PHILOSOPHY 歯科医師として考えるべきこと
松下至宏
Chapter 5-1 歯科医療における学習の哲学
1.歯科医師のライフステージと歯科医療
2.理想と現実とのギャップを受け入れることが、成長のスタート地点である
1)現実を直視しない歯科医師
2)成長のための第一歩は、現実を受け入れることから
3.単調な基本練習のくり返しが将来の『自分の診療イメージ』を作りあげる
1)上達は基本的な知識と技術の修得から始まる
2)『頭と指先』をつなぐ早朝の基本トレーニング
3)学習の「学」と「習」の違いとは
4)自分の得手不得手を判断し、いま何が必要かを見極める
4.臨床レベルを、基本的な治療から自分の目指す高度な治療へと高めていくために
1)プラークコントロールやコンサルテーションがうまくできる『秘訣』を探し求めて
2)『秘訣』は基本のくり返しの延長線上にあった
5.歯科医師としての投資のススメ
1)歯科医学を学ぶことの楽しさ
2)歯科医師にとっての『投資』と『利潤』
3)投資の価値を実感することで、コンサルテーション力はさらに高まる
6.Back to the BASIC
―新・歯科三種の神器も基本的なテクニックがあってこそ―
7.長いスパンで臨床における自分の成長を考えていこう
1)『3年先の稽古』をしよう
2)ベテランの域に達することで、できることがある
Chapter 5-2 診療システムを支える歯科医師としての哲学
1.患者に対する想像力が、的確な伝達力を導き出す
2.コンサルテーションの極意
1)患者に必要十分な歯科情報をわかりやすく伝えるためには
(1)医療人に必要な言葉の感性
(2)デジタル全盛時代でも変わらない普遍的な説明能力
(3)医療には『お試し』は存在しない
2)プロフェッショナルとしての重みのある話しかたとその責任
3)患者の時間軸を見据えた歯科治療
3.『患者視点』の重要性
1)待合室のソファに座ってみよう
2)細やかな心遣いがもたらす効果
4.診療室を清潔に保つことの意義
1)診療室の清潔さが大切な理由
2)エックス線写真撮影室の清掃がもっとも重要と考える理由
3)歯科医院の雰囲気作りの一環としての清掃
5.コンセプトは、目にみえる形で示してこそ力となる
6.患者の呼称 ―○○様か、○○さんか―
7.医院継承の哲学 ―その医院継承は、患者のために行われるのか―
1)歯科医院側からみた医院継承
2)患者側からみた医院継承
参考文献
総合索引
監修および執筆者紹介