目次
序に代えて 臨床医に必要な診査・診断
いままでになかった診査・診断学テキスト
第1章 イントロダクション
■診断学を学ぶ理由
基本に戻って……歯科医とは何を行う職業なのか
診断学を学べば社会および患者の信頼を得る
歯の治療が必要かどうかの診断
口腔の健康を維持していくのに必要な診断学
■診査・診断の嘘
診断エラーはすぐそこに
虫歯はたいてい痛くない
痛みの強さで原因を診断してはいけない
患者の言葉のみで痛みの診断をしてはいけない
痛みの診断にはエックス線が重要か
エックス線診断の嘘
最新機器を用いる診断の嘘(なぜ問診が重要か)
第2章 診断学の基礎の基礎
■診断学とは何か
診断とは確からしさを考えることである
狭い意味での診断と広い意味での診断
診断とは次の一手を決めること,診断名ではない
診断とは正しいことを行うべき瞬間を決定すること
診断には鑑別診断が重要である
診断のポイントは矛盾する所見である
■ディシジョンメイキングとは何か
患者との遭遇と診査・診断の流れ
疾患をみつける(検出する)ための診査
[症例2-1]
疾患の診断(Diagnostic Decision Making)
治療必要度の診断(Therapeutic Decision Making)
[症例2-2]
[症例2-3]
治療方法の選択(Therapeutic Decision Making)
[症例2-4]
■痛みとは何か
痛みとは
痛みの特徴
痛みの程度(大きさ)
痛みの種類
侵害受容性疼痛
神経障害性疼痛
心因性疼痛
痛みに影響を及ぼす因子
■医療面接とは何か
問診と医療面接
ピンクの卵とブルーの卵
医療面接
医療面接の記録
第3章 臨床準備編
■電話がかかってきたら
電話対応チャート(Tel Chart)
初診セット
痛みの問診票(患者用.Pain Questionnaire)
患者情報チャート(Visiting Chart)
口腔健康アンケート(Oral Health Questionnaire)
パンフレット(Leaflet)
■初診時の対応
主訴の聞き方
全身的既往歴
口腔内病歴(現病歴/既往歴)
主訴の分析
痛みの聞き方のポイント
痛みの聞き方(痛みの構造化問診票を用いて)
痛みの原因と疾患
痛みの問診票(患者用)
痛みの構造化問診票(歯科医用)
■歯の疾患
う蝕
う蝕とは
う蝕の分類
解剖学的部位によるう蝕の分類法
重症度,進行度によるう蝕の分類法
年齢パターンによるう蝕の分類法
歯髄炎
[症例3-1]
[症例3-2]
根尖病変
歯の外傷
[症例3-3]
クラック
■臨床判断のディシジョンメイキング
う蝕の臨床判断
う蝕の検出のカットオフポイント
う蝕を検出するための準備
う蝕をみつける際の基準
う蝕と健常の違い(検出の基準:カットオフポイント)
う蝕の検出力
[症例3-4]
隣接面う蝕の検出テクニック
う蝕をみる際の注意点
う蝕を治療する必要があるかどうかの判断
プラークの蓄積状況
う蝕病変の進行過程(程度)
う蝕病変の部位
う窩であるかどうかの判断
う蝕の活動性の問題
最近のう蝕診断システムの動向
どのようなう蝕治療を行うかの臨床判断
患者の心理社会的行動の変化
歯髄疾患の臨床判断
歯髄の反応が正常かどうか
生活反応があるかどうかを知る
生活歯か失活歯を知る
生活歯髄検査と実際の歯髄の状態
生活歯髄検査と歯髄診断上の問題点
歯髄の状態をどう解釈するか
根尖部疾患の臨床診断
根尖病変の検出のためのエックス線診査
エックス線読影のポイント
歯根膜腔の状態
歯槽硬線の状態
歯根周囲の骨梁の状態
根尖部のエックス線透過像
[症例3-5]
エックス線透過像と生活歯髄検査
その根尖病変は治療すべきか
[症例3-6]
[症例3-7]
根管治療が必要と診断したときの治療のオプション
抜歯の臨床判断
歯の喪失(抜歯)の原因に関するシステマティックレビュー
■痛みの診断の基礎(痛みの分類)
痛みの原因による分類
臨床的歯科治療上の分類
歯原性疼痛の痛みの質
歯原性疼痛とは
歯原性疼痛の痛みの局在
歯原性疼痛と自発痛
歯原性疼痛と誘発痛
非歯原性疼痛
■痛みの診断の基礎(TMD) 西山 暁
第4章 臨床編
■主訴解決のための診査
症例4-1
電話チャート
主訴(痛みの問診票)
痛みの問診チャート(患者記入用)
患者情報
既往歴
痛みの構造化問診票(ドクター用)
口腔内写真
エックス線所見
Okesonの疼痛分類と鑑別すべき診断
治療
■医療面接
主訴の聞き方:Chief Complaints
主訴を聞く
主訴は患者の言葉で書き残す
主訴は術者が客観的に解釈する
主訴は1つとは限らない
主訴が何かを確実に理解する
主訴を分析解釈する
主訴から得られた情報から次に何を審査しなければならないかを考える
主訴を,その診断で説明できるかどうかを確認する
痛みの聞き方(疼痛歴):Pain History
患者を1人の人として歯だけでなくトータルで診るように心がける
違和感も痛みと考えて聞きだす
痛みは程度だけで判断してはいけない
痛みの原因を探す際に疾患を探さない
痛みは特徴を聞きとる
痛みの特徴は,自発痛,誘発痛それぞれ別々に聞きとる
現病歴 Present Illnes
既往歴 Past Medical History
心理社会歴 Psychosocial History
家族歴 Family History
システムレビュー Review of Systems
■臨床診査(口腔内外診査)
口腔内診査
視診
排膿路がないか?
触診
プロービング
咬合診
打診
鑑別すべき歯
咬合痛
生活歯
根尖部圧痛
筋の触診
咬合関係
TMJ
歯周病
■診断試験と検査
生活歯髄検査
生活歯髄検査の重要性
生活歯髄検査の種類
エックス線診査
疾患の頻度
臨床医の能力
疾患への帰結
臨床診査を基にデンタル撮影が基本
初診患者のエックス線撮影の適応基準
デンタル撮影はバイトウィングか根尖撮影法か
根尖撮影法は平行法か二等分法か
エックス線の読影
問題となる歯が感染しているかどうかを知る
エックス線撮影の目的
第5章 実践編
■歯原性の疼痛の特徴
象牙質知覚過敏由来の疼痛(誘発痛)
歯髄由来の疼痛
咬合負担由来の疼痛(誘発痛)
根尖性歯周炎由来の疼痛
辺縁性歯周炎由来の疼痛
歯肉歯槽粘膜由来の疼痛
紛らわしい歯原性疼痛
象牙質知覚過敏と歯髄炎の知覚過敏症状
歯髄炎と感染根管
歯髄炎の原因歯
根管治療と歯肉炎
歯髄炎と歯肉炎
象牙質知覚過敏の痛みの特徴
初期歯髄炎の痛みの特徴
慢性歯髄炎の痛みの特徴
慢性歯髄炎の急性化の痛みの特徴
咬合負担の痛みの特徴
慢性根尖性歯周炎の痛みの特徴
急性根尖性歯周炎の痛みの特徴
慢性辺縁性歯周炎の痛みの特徴
急性辺縁性歯周炎の痛みの特徴
歯肉炎の痛みの特徴
■非歯原性の疼痛
歯由来でない歯痛はさまざまな状態を示す
筋筋膜性疼痛
顎関節由来疼痛
神経障害性疼痛
よくみられる非歯原性疼痛
三叉神経痛
前三叉神経痛
非定型歯痛(幻歯痛)
慢性(複合性)局所疼痛症候群
神経血管痛(頭痛の関連痛)
心臓由来の歯痛
上顎洞/鼻由来の疼痛
頸部における新生物あるいは他の病変
唾液腺機能不全
心理的な障害
■ケーススタディー
自発痛がある症例
[症例5-1]
の拍動痛と左上奥歯が痛む症例
自発痛なし,誘発痛がある症例
[症例5-2] 咬んだとき痛い症例
自発痛あり,誘発痛がある症例
[症例5-3] 触れないほど痛い症例
自発痛あり,誘発痛がある症例
[症例5-4] 痛くて口が開けられない症例
自発痛なし,誘発痛がある症例
[症例5-5] 熱いものがしみる症例
自発痛あり,誘発痛がある(来院時なし)症例
[症例5-6] 歯が痛かったが,最近症状がなくて心配という症例
自発痛のみがある(来院時なし)症例
[症例5-7] 右上の歯が痛かった症例
自発痛あり,誘発痛がある症例
[症例5-8] 歯がしみる症例
自発痛なし,誘発痛がある(検査では反応なし)症例
[症例5-9] 失活歯なのに痛い症例
■ケーススタディー(TMD) 西山 暁
自発痛があり,誘発痛がある症例
[症例5-10] 顎が痛い,頭がしびれる症例
自発痛があり,誘発痛がある症例
[症例5-11] 開口時と噛みしめ時に顎の痛みがある症例
誘発痛がある症例
[症例5-12] 口が開かない症例
自発痛があり,誘発痛がある症例
[症例5-13] 口を開けると痛い症例
自発痛がある症例
[症例5-14] 口が開きにくく,顎が痛い症例
自発痛がある症例
[症例5-15] 左頬が痛い症例
機能時痛がある症例
[症例5-16] 歯の痛みのある症例
自発痛があり,咬合違和感がある症例
[症例5-17] 咬み合わせ違和感のある症例
自発痛がある症例
[症例5-18] 耳閉感,違和感のある症例
付録:TCHの是正指導
参考文献
索引