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大学|2021年5月1日掲載

東京医科歯科大学

コロナ禍で収入が減少した人は歯の痛みが1.4倍多い

世帯収入の減少と歯の痛みの中間因子の内訳。
世帯収入の減少と歯の痛みの中間因子の内訳。
 4月1日(木)、東京医科歯科大学は報道関係向けにプレスリリースを発表した。松山祐輔氏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野助教)、相田 潤氏(同健康推進歯学分野教授)の研究グループは、田淵貴大氏(大阪国際がんセンター副部長)らと名古屋大学との共同研究で、新型コロナウイルスの影響を受け社会経済状況が悪化した人は歯の痛みを訴えることが多く、精神的ストレスがその主な中間因子であることを明らかにした。その研究成果は、国際科学誌『Journal of Dental Research』のオンライン版に発表された。

 本研究は、2020 年8 〜9 月に日本全国の15-79 歳男女を対象として実施された大規模なインターネット調査「JACSIS(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)研究」の回答者25,482 名のデータを分析。新型コロナウイルスの影響による社会経済状況の悪化と歯の痛みの関連では、世帯収入が減少した人は1.42倍、仕事が減少した人は1.58倍、失業した人は2.17倍、歯の痛みが多かった。世帯収入の減少と歯の痛みの関連では、精神的ストレス(21.3%)、歯科受診の延期(12.4%)、歯磨きの減少(1.5%)、間食の増加(9.3%)、となり、精神的ストレスが主な中間因子となった。

 経済的影響に対する政策が、歯科疾患の悪化を回避することにつながる可能性があると期待される。