目次
■第1章
日常臨床でしばしば遭遇する歯周疾患の症状
星の数ほどある患者さんの主訴。実は歯周疾患の症状であること多々あり!!
(1)歯周疾患が原因の疼痛
1-1.“うわぁ~ 歯肉が腫れている!”→歯肉の腫脹
1-2.“歯がグラグラする!”“歯が動く!”→歯の動揺
(2)救急処置
2-1.急性歯周膿瘍→抗生物質の投与とスケーリングがもっとも効果的
2-2.歯の動揺→ひとまず固定
(3)歯周疾患とは異なる原因の疼痛
3-1.根尖性歯周炎‐感染根管→プローブは深く挿入しない
3-2.急性歯髄炎→歯の動揺が顕著にみられる
3-3.歯根破折→無髄歯の垂直破折が特徴
3-4.治療中に誤って歯根を損傷させた→歯根穿孔(医原性の穿孔)
(4)壊死性潰瘍性歯肉炎(急性潰瘍性歯肉炎:ANUG)
4-1.患者さんは、炎症による疼痛とは異なる痛みを訴えてくる
(5)ヘルペス性歯肉口内炎(ヘルペス性歯肉炎)
5-1.ヘルペス性歯肉口内炎の独持の特徴を知ろう
(6)まとめ
■第2章
歯周病の診査:歯周組織検査
この段階をあなどるべからず。何事においても医療の基本は診査・診断!!
(1)歯周病の診査で行うこと
1-1.まずは歯周組織診査をきっちり行おう
(2)診査項目1:プロービング深さ(Probing Depth)
2-1.歯周治療はプロービングから始まる
(3)診査項目2:プロービング時の出血
3-1.初期治療終了後、歯周外科手術後、メインテナンス以降にも評価を
(4)診査項目3:歯肉退縮
4-1.歯根(セメント質)の露出量からも進行度を把握する
4-2.臨床的アタッチメントレベルはどう評価する?
(5)診査項目4:歯の動揺度
5-1.ピンセットによる診査は×
5-2.歯の動揺度が増すのはナゼ?
(6)診査項目5:角化歯肉の幅
6-1.欠如している場合は歯周外科が必要な時も…
(7)診査項目6:根分岐部病変
7-1.根分岐部病変の状態が予後や治療計画を左右する
(8)診査項目7:模型
8-1.模型を積極的に咬合診断に役立てよう
(9)診査項目8:口腔内カラー写真
9-1.規格性のある画像でなければ診査資料にはなりえない
(10)診査項目9:エックス線写真(パノラマエックス線写真・全顎口腔内14枚法
エックス線写真)
10-1.歯や歯槽骨、周囲全体像がよくわかる!!“パノラマエックス線写真”
10-2.確定的診断には14枚法がおススメ!“全顎口腔内エックス線写真”
(11)まとめ
■第3章
治療計画の立案
この段階ではまだきっちり考えすぎない、初診では大体の感じをつかめれば良し!!
(1)治療計画
1-1.治療計画を左右する因子は何か?→治療の流れと期間をよく説明する
1-2.歯周疾患の分類→“慢性歯周炎”と“侵襲性歯周炎”を区別する
(2)抜歯の判断
2-1.客観性のある判断基準をもとう!
(3)歯周治療のゴール
3-1.プロービング深さ3mm以下、動揺度0度を目標に!
■第4章
初期治療
初期治療の勝負どころは、歯周病のすべての原因を徹底的に除去できるか、否かにある!!
(1)プラークコントロール
1-1.ブラッシング指導→まずは歯ブラシを持って一緒に練習
1-2.基本は歯ブラシ→通常のもので徹底的に磨くことを身につける
1-3.ブラッシング圧→歯肉が白く貧血する程度の力で
1-4.PCRは何%を目標にするのか?
1-5.1日に何回磨けばよいのか?
1-6.歯周治療に効果的な磨き方“バス法”のポイントは?
1-7.補助清掃器具(歯間ブラシ・デンタルフロス)はどう薦める?
1-8.ブラッシング指導は「治療」として考えよう→まずは指導の時間の確保を!
(2)スケーリング
2-1.超音波スケーラー→その使い方を正しくマスターしよう
2-2.手用スケーラー→よく切れるものを使い、やや弱い力で根面に当てる
(3)ルートプレーニング
3-1.技術の習得にはそれ相当の訓練が必要
(4)術後の知覚過敏
4-1.その大半が過剰なルートプレーニングに原因が…
(5)歯周‐歯内病変
5-1.残念ながら確定的な診断基準がないのが現実
(6)まとめ
■第5章
再評価
「抜歯」か、「歯周外科」か。その判断は、初診時と再評価時の客観的比較ができてこそ!!
(1)歯周精密診査(プロービング深さ/ 動揺度/プロービング時の出血)
1-1.最終的な判断は“プロービング深さが4mm以上”
1-2.“動揺度”の評価が「咬合治療」の指標となる
(2)咬合治療・咬合性外傷(固定/咬合調整)
2-1.咬合調整で動揺度を減少させよう
(3)治療計画の決定・変更
3-1.歯周外科手術か、それとも抜歯かを決定する
3-2.その他に必要となる歯周外科処置を決定する
(4)まとめ
■第6章
歯周外科手術
歯周治療もいよいよ大詰め。歯周外科の成否は歯科医師の腕次第!!
(1)外科手術のための配慮事項
1-1.全身疾患の管理の重要性→超高齢社会だけに安全確保は必須
1-2.とくに注意する項目→循環器系疾患、糖尿病、ビスフォスフォネート製剤
(2)歯周外科手術の分類
2-1.7種類の歯周外科手術をマスターすれば全症例に対応可能
(3)歯肉切除術・歯肉整形術
3-1.習得がとても容易! 歯肉切除術、歯肉整形術の目的
3-2.歯肉切除術の適応と禁忌→角化歯肉の少ない人には実は禁忌
3-3.歯肉切除術の手順をマスターしよう
3-4.特記事項→歯肉増殖とレーザー
(4)歯肉剥離掻爬術(フラップ手術/FOP)
4-1.難易度は中程度! 歯肉剥離掻爬術は予知性の高い術式
4-2.歯肉剥離掻爬術の適応と禁忌→深いポケットを含む大半の症例に対応
4-3.歯肉弁の分類→全層弁と部分層弁の違いとは
4-4.根尖側移動全層弁歯肉剥離掻爬術の手順をマスターしよう
4-5.部分層弁(粘膜弁)→ポケット除去の目的で適用されることは稀
(5)Distal Wedge Operation
5-1.最後臼歯遠心部に対応!→Distal Wedge Operation の目的
5-2.Distal Wedge Operationの手順をマスターしよう
(6)Palatal Flap
6-1.口蓋歯肉弁の切開がポイント
(7)骨外科手術・骨整形術・骨削除術
7-1.骨を生理的な形態に戻すことが目的
(8)再生療法
8-1.骨欠損の形態によって予後は異なる! 再生療法の目的
8-2.再生療法の適応と禁怠→分岐部Class III、水平的骨欠損は予後不良
8-3.骨移植術→3壁性の垂直性骨欠損にきわめて有効
8-4.組織再生誘導法(GTR法)→Emdogain® Gelの登場で適用は稀に
8-5.Emdogain® Gel→骨欠損部の歯根表面に応用
(9)遊離歯肉移植術
9-1.実に多目的! 遊離歯肉移植術の目的
9-2.遊離歯肉移植術の適応と禁怠→角化歯肉を作るための確実な術式
9-3.難易度は中程度! 遊離歯肉移植術の利点と欠点
9-4.遊離歯肉移植術の手順をマスターしよう
(10)上皮下結合組織移植術
10-1.審美的な成果を得るために不可欠な術式
10-2.根面被覆術→受容床と部分層弁からの血液供給の確保が大切
10-3.Seibertの分類I級、II級に最適な術式! 歯槽堤増大術
(11)小帯切除術
11-1.小帯の高位付着の解決手段→ぜひともチャレンジを!
(12)まとめ
■第7章
メインテナンス
歯周治療の終了は、再発予防のためのメインテナンス治療の始まりでもある!!
(1)メインテナンスの重要性
1-1.健康維持にメインテナンスは不可欠と患者さんに伝えよう
1-2.歯周組織検査→初診時の治療目標を達成なしにメインテナンスには入れない
1-3.全顎口腔内14枚法エックス線写真→最終確認のための必須事項
1-4.口腔内カラー写真→初診時と同様の部位を再確認
(2)メインテナンスの治療内容
2-1.口腔内診査→数ヵ月で患者さんの状態が変わっていることもある
2-2.ブラッシング指導→PCRの値は患者さんの関心事項でもある
2-3.スケーリング・ルートプレーニング→歯肉縁下プラークの除去が重要
2-4.歯周診査→各診査の頻度を知ろう
2-5.咬合調整→時間とともに変化する咬合への対応を忘れずに
2-6.ナイトガード→動揺が残る歯には効果的
(3)まとめ