目次
PART 1ベーシック BPS概論
第1章 BPSとは
1.簡単で学びやすい義歯製作法が必要な時代
2.システマティックな義歯が未来の補綴を救う
3.世界で認められている義歯製作法BPS:生体機能補綴機構
4.BPSの機能と高まる審美の要求
5.BPSの出現
6.BPSとは何か
7.下顎総義歯の吸着技術とBPS
8.BPSのゴール
第2章 ベーシックBPS義歯の製作過程(Step1~Step4)
Step1 診査から概形印象、一次咬合採得まで
手順1 診査
手順2 アキュデントシステム(Accu Dent System)を用いた上下顎の概形印象
手順3 セントリックトレーによる一次咬合採得
手順4 模型製作&各個トレーの設計
手順5 マウンティング(ホリゾンタルガイド:Horizontal Guide)
手順6 各個トレーの製作(ナソメータM:Gnathometer Mの設置)
Step2 上下顎精密印象から人工歯排列まで
手順7 上下顎精密機能印象(シリコン印象材バーチャル:Virtual使用)
手順8 咬合高径と水平下顎位の決定(ナソメータM)
手順9 フェイスボウトランスファー(UTS:Universal Transfer-Bow System)
手順10 人工歯の選択
手順11 精密印象模型製作とマウンティング
手順12 模型解析(モデルアナリシス)
手順13 人工歯排列(2Dもしくは3Dテンプレートの利用)と義歯研磨面形態の付与
Step3 ワックスデンチャー試適から仕上げるまで
手順14 ワックスデンチャーの試適
手順15 レジン重合&仕上げ(イボカップシステム:Ivo-Cap System使用)
手順16 リマウント調整
手順17 研磨仕上げ
Step4 完成義歯の装着とデリバリー
手順18 完成義歯の装着とデリバリー
PART 2アドバンス(1) 臨床に生かす・つなぐ下顎総義歯吸着メカニズム
第3章 下顎総義歯の吸着とBPSの融合
1.証人は読者自身
2.“吸着義歯”のススメ:吸着が得られれば下顎義歯は成功する
3.従来型義歯と吸着義歯のコンセプトの違い
4.誰にでもできる印象テクニック
5.ベーシックBPSを学び、“吸着メカニズム”でレベルアップを
6.なぜ、上顎義歯の吸着は容易で、下顎義歯の吸着が難しいのか
第4章 吸着のメカニズムを理解しよう
1.上顎総義歯の吸着メカニズムとは
1-1. 上顎の封鎖メカニズム
1)内外側二重封鎖(唇、頬側部)
2)接触型封鎖(口蓋後縁部)
2.下顎総義歯の吸着メカニズムとは
2-1. 下顎総義歯吸着の絶対条件
2-2. 下顎総義歯の封鎖メカニズム
1)内外側二重封鎖(唇、頬側部)
2)舌側部の封鎖
A.舌下ヒダ部の封鎖
(1)スポンジ状組織が豊富な場合
(2)スポンジ状組織が乏しい場合
(3)舌下ヒダ部の口腔環境と印象模型
B.後顎舌骨筋窩部の代償性封鎖
3)レトロモラーパッド部の封鎖メカニズム
(1)レトロモラーパッド部粘膜面と義歯床内面の接触型封鎖
(2)レトロモラーパッド部義歯研磨面上での舌と頬粘膜による後縁封鎖
PART 3アドバンス(2) BPSを用いた吸着総義歯製作パーフェクトマニュアル
第5章 Step1:診査から概形印象、一次咬合採得まで
1.術前アンケートの重要性(OHIP-14による術前アンケート調査)
2.下顎総義歯・吸着の診断
2-1. 術前の下顎位に関する診査・診断
1)舌骨位による予知的咬合診断
2-2. 下顎総義歯・吸着の簡便な口腔内診査
1)口腔内診査
2)下顎総義歯吸着に必要な口腔内診査所見
(1)顎堤粘膜(咀嚼粘膜)が豊富な良型な顎堤の診査法
(2)スポンジ状組織が豊富な舌下ヒダ部の診査法
(3)義歯床が顎舌骨筋線を越えて延長できる後顎舌骨筋窩部の余裕の診査
(4)レトロモラーパッドの診査
2-3. 口腔内診査から吸着の診断へ
3.歯科医師と歯科技工士のコラボレーション
4.歯科技工士に必要な生体情報
4-1. 患者の不満や精神状況(OHIP-14アンケート)
4-2. エックス線写真(パノラマおよびTMJ)
4-3. 口腔内写真(顎堤)
4-4. 過去の顔写真
5.歯科技工士による立ち合い、人工歯排列
6.アキュデントシステムを用いた上顎概形印象(Accu Dent System)
6-1. 上顎の概形印象はアキュデントシステムで採る
1)二重印象によって、簡単な術式できれいな概形印象が採得できるのが特長
2)印象の手順
(1)トレーサイズの選択
(2)印象材の練和とトレーへの盛り上げ
(3)印象採得の手順
(4)上顎概形印象の完成
7.「Frame Cut Backトレー」による下顎概形印象:下顎総義歯の吸着の第1ステップ
7-1. FCBトレーによる下顎安静位閉口印象法
1)FCBトレーの材料(ディスポーザブルタイプ)
2)FCBトレーに用いる印象材
3)FCBトレーを用いた印象の手順
(1)トレーの選択
(2)トレーの試適
(3)トレーの位置づけ
(4)印象材の練和とトレーへの盛り上げ
4)下顎アキュトレーをFrame Cut Backトレーに改造する方法
8.模型上での上顎各個トレーの設計線
8-1. 口蓋後縁部のアウトライン
1)Nose Blow Effect法
2)アーラインの決定による方法
3)上顎各個トレーの設計線を引くための手順
9.下顎総義歯吸着のための各個トレー設計線
9-1. FCBトレー概形印象における各個トレー設計線
9-2. Frame Cut Backトレーを用いた概形印象と従来型の概形印象の違い
1)マイオスタティックアウトライン:(静的な筋肉付着部位を基本とした各個トレーの設計線)
10.セントリックトレー(Centric Tray)
10-1. セントリックトレーとは?
10-2. セントリックトレー使用時の咬合高径決定法
10-3. シリコンパテを用いたセントリックトレー使用法
11.概形印象模型のマウンティング
11-1. ホリゾンタルガイドの使用法
12.下顎総義歯の吸着メカニズムに則した印象用各個トレーの作り方
12-1. 2種類の印象用各個トレーの製作法
12-2. 吸着を得るために必要な各個トレーへの6つの工夫
1)各個トレーへの吸着のための6つの工夫
2)ナソメータMを装着した各個トレー製作手順
3)無歯顎平均値を用いたロウ堤付印象用各個トレーの製作手順(ナソメータMを使用しない場合)
13.ナソメータM付各個トレーの口腔内試適
13-1. ナソメータMの咬合平面のチェック
13-2. 上下顎の顎間関係のエラーチェック
第6章 Step2:上下顎精密印象から人工歯排列まで
1.上顎精密機能印象
1-1. 上顎精密機能印象
1-2. 下顎精密印象の準備
2.下顎吸着精密印象─閉口機能印象を中心に─
2-1. 下顎吸着精密印象の重要事項
1)印象材の重要性
2)顎堤形態が良型・中等度の場合の5つの基本動作の重要性
2-2. 下顎精密印象の手順
3.精密印象後の咬合高径の修正とゴシックアーチ
3-1. 咬合高径を先に決める理由
1)精密印象後の咬合高径の修正の仕方
3-2. ゴシックアーチ描記法
3-3. ナソメータMによるゴシックアーチ描記法
4.人工歯の選択
4-1. 前歯部の人工歯選択
4-2. 臼歯部の人工歯選択
5.ボクシング
5-1. 辺縁5mmまでのボクシングした精密模型製作法
6.精密模型のマウンティング
7.モデルアナリシス(模型解析)
8.BPSの咬合様式
9.人工歯排列(リンガライズドオクルージョン)
9-1. 下顎臼歯排列(排列順序:
)
9-2. 上顎臼歯排列(排列順序:
)
9-3. 人工歯排列後の咬合チェック
補足.総義歯の咬合・アドバンス編
補-1. 前歯部オーバージェット量が少ないリンガライズドオクルージョンのススメ
1)有歯顎の理想咬合
2)これまで理想と考えられてきた総義歯の咬合とは
3)バランスドオクルージョンを付与することによって生まれる前歯部の大きなオーバージェット
4)義歯装着後に前歯部オーバージェットが失われる理由
5)咀嚼時の上下顎前歯部オーバージェット量は小さいほうが良い
第7章 Step3:ワックスデンチャー試適から仕上げまで
1.機能から得られる基本的な義歯研磨面形態
1-1. 辺縁封鎖を完成させる場所
1-2. 嚥下、構音、舌位の影響する研磨面
1)嚥下機能を完成させる義歯後方部の頬側研磨面形態
2)構音や嚥下に必要な上顎口蓋部研磨面形態
3)自然な舌位へ導くための下顎舌側研磨面形態
1-3. リップサポート部
1)上顎前歯部唇面
2)下顎前歯部唇面
1-4. 頬の活動量に応じて変化する頬側研磨面(食渣の停滞を防ぐ)
1)モダイオラスを表現する
2)下顎小臼歯部から大臼歯部への小帯と頬粘膜の動きを表現する
3)機能を想像しながら、下顎頬側研磨面を作り上げていく場合
1-5. 石膏コアを用いた研磨面形態の再現
2.ワックスデンチャー試適
3.レジン重合&仕上げ(イボカップシステム:Ivo-Cap System使用)
4.リマウント調整
第8章 Setp4:完成義歯の装着とデリバリー
1.義歯装着
1-1. PIPテスト(Test of Pressure Indicator Paste)
PART 4 BPSによる難症例への対応
第9章 下顎難症例におけるBPSの臨床
1.義歯の製作精度を高めるダブルチェックバイトの利用
1-1. クリニカルサイドのTime Saving
1-2. クリステンセン氏現像を利用したダブルチェックバイト法による個人顆路角の算定
2.顎堤吸収が進むと下顎総義歯の吸着が難しくなる理由
2-1.吸着難症例の口腔環境
3.下顎顎堤吸収の著しい難症例への臨床対応
3-1.難症例に対する機能印象法(2つの動作)
1)難症例における2つの動作と義歯床縁の封鎖
3-2.治療義歯を使って最終義歯を完成させる方法
1)咬合調整とリライニングで下顎総義歯の吸着を得た咬合不安定ケース
2)フラットテーブル治療用義歯を使用したケース
3-3.下顎難症例に対する下顎Two-インプラントオーバーデンチャーの臨床
1)インプラントオーバーデンチャーの現在
2)IODの利点
3)下顎Two-インプラントオーバーデンチャーの適応症
4)JDAによるIODコンセンサス(IOD Consensus of Japan Denture Association)
(1)下顎総義歯の吸着技術を基本とするIODの義歯製作
(2)安全なインプラント外科手術
(3)インプラント周囲炎の予防
5)インプラントオーバーデンチャーが抱えるインプラント周囲炎のリスク
6)下顎Two-インプラントオーバーデンチャーに用いるアタッチメント
3-4. インプラントオーバーデンチャーの臨床例-IODの咬合力に耐えうる超硬質人工歯SRフォナレスを用いた臨床
1)美しさと強さを備えた人工歯SRフォナレス:Phonares
第10章 上顎難症例におけるBPSの臨床
1.上顎前歯部フラビーガムの原因を考える
1-1. フラビーガムの最大の原因は前咬みにあり!
1-2. 前咬みをつくり出すフラビーガムの原因
1)下顎残存前歯部の歯根膜感覚の優位性(上顎シングルデンチャーの場合)
2)生体の顎関節への負担軽減応答(上顎シングルデンチャー、上下顎無歯顎の場合)
1-3. フラビーガムを促進する要因
1)遺伝的要因
2)吸収しやすい解剖学的要因
3)義歯製作上で起きる問題:人工歯排列
4)後天的問題
1-4. Kellyのコンビネーションシンドローム
2.上顎シングルデンチャーの臨床
2-1. 上顎シングルデンチャーの成功の鍵
2-2. 両側大臼歯が存在している場合
2-3. 片側大臼歯が存在している場合
2-4. 両側大臼歯の欠如、特に第一小臼歯よりも前方の歯が残っている場合
1)下顎大臼歯部にインプラントを挿入し、大臼歯部の強固な咬合支持を獲得する
2)残存前歯に内冠を装着し、二重冠タイプのリジッドな義歯にする
3)1)、2)の両方をとり入れたインプラント&二重冠義歯の製作
3.無歯顎症例における上顎フラビーガムの臨床
1st stage 義歯製作期
2st stage フラビーガム治療期
3st stage 維持期
PART 5 BPSによる審美症例への対応
第11章 患者が輝くBPSの審美症例
1.今こそ求められる総義歯の審美
1-1. 患者の要求に応じた審美提供
1-2. 審美を評価する
2.SRフォナレス:Phonaresを用いた審美
2-1. BPSパーシャルデンチャーへの応用
3.SRフォナレスとGingival Characterizationによる審美
3-1. Gingival Characterization
ジンジバル・キャラクタライゼーション(カンデュラー社製品を使用)
3-2. 患者のキャラクター別の審美表現