目次
Part 1 基本概念
Chapter 1 歯科に対する恐怖とは
I.恐れに関する用語の定義
1 恐怖
2 不安
3 病的恐怖症
II.患者の恐怖心を測定する
1 多少不安をもった患者
2 いやいや来院する患者
3 めったに来院しない患者
4 治療を拒否する患者
III.歯科恐怖の疫学調査
IV.恐怖症の年齢分布と性差
1 年齢差
2 恐怖心に関する男女差
V.恐怖の対象と状況
1 器具と処置内容
2 歯科医師
3 歯科衛生士
VI.恥をかかされたり、なけなれたりすることへの恐怖
VII.患者の感受性と状況を患者自身が制御できぬこと
Chapter 2 歯科医療における恐怖の原因
I.恐怖を引きおこす直接的体験
1 条件づけられた情動反応
2 歯科医の態度と患者の確認
II.恐怖を引きおこす間接的体験
1 想像とその情報源
2 マス・メディア
3 刺激の普遍化
4 無力さと軽減手段の欠如
III.治療に対する恐怖獲得のモデル
1 プラスの経験とコンロトールできるとの認識
2 プラスの経験とコントロールの必要がないとの認識
3 マイナスの経験とコントロールできるとの認識
4 マイナスの経験とコントロールできないとの認識
IV.歯科恐怖症の模範的な治療方法
1 予期を変えるために
Chapter 3 患者にとっての痛みとその軽減
I.痛みとはなにす
II.痛みの学説
III.痛みと恐怖
1 エンドルフィンと痛みの性質
IV.文化的背景と痛み
V.不安と痛みの対策
VI.パーソナリティの影響
1 敏感な人と抑制する人
2 抑制の中心課題をどこに求めるか
3 被暗示性
VII.痛みのコントロール
1 局所麻酔
2 薬剤の規格化
3 局所麻酔の問題点
4 麻酔の改善
5 長時間作用性の麻酔薬
6 副作用の問題
7 患者側の因子
8 歯科医の違い
9 患者の生理学的条件
10 補助的な薬剤
Part 2 診査・診断
Chapter 4 恐怖を評価する
はじめに
I.ワシントン大学における歯科治療恐怖症の診断基準
1 特定の具体的な刺激に対する恐怖
2 歯科医に対する不信感
3 漠然とした不安
4 誇大妄想的恐怖をもつ人
II.4つの概念の特徴
III.歯科医院での診断過程
1 一般的概念
2 不安の基礎的診断法
IV.恐怖症診断のための問診
V.記入されたアンケートの評価
VI.歯科治療恐怖の調査
VII.歯科に対する信頼度調査
1 コミュニケーション
2 見くびり
3 コントロールの欠如と患者の治療への参加余地
4 信頼感
VIII.明らかに心理学的に問題のある患者
IX.歯科治療恐怖症の評価にカルテを利用する
Chapter 5 恐怖心が強い患者への接し方
I.最初の診査
1 患者に良い情報と悪い情報、どちらを説明すべきか
2 患者の了解を得る
3 最初の診査を終えて
4 治療内容に関する相談
5 治療計画
II.治療の緊急性
III.治療の予約をとる
1 予約期間
2 予約の間隔
3 予約の断続とキャンセル
IV.経済的問題
V.予防:口腔衛生の自己管理
1 在宅予防
2 プラーク・コントロール
Part 3 治療の実際
Chapter 6 特定の処置に対して恐怖感をもっている患者の治療
I.情報によるコントロール
1 心と体による疼痛モデル
2 準備
3 Tell-Show-Do(説明して見せてから治療する)
II.行動のコントロール
1 合図(自己表現)
2 うまく進行するための合図
3 合図に応じきれなかった時
4 注射に有用な行動療法
5 恐がっている患者に少しずつ注射器に慣れさせて受診態度を変えた例
6 呼吸:身体をリラックスする行動学的方法
III.処置後の満足感を増進する
1 暗示と情報の役割
2 恐怖に打ち勝つための方法
Chapter 7 不信感の強い患者の治療
I.一般的考察
II.行動のコントロール
III.人間的信頼関係の確立
1 意思疎通の確立(心の通いあい)
2 患者が心配している2つの理由
3 患者と歯科医の相互交流
4 患者主導型のコントロールと決断
IV.自己救済の方法
Chapter 8 種々の不安をもつ患者の治療
I.一般的考察
II.予期して身がまえてしまうこと
III.予期によって生じる不安の源
IV.予期の内容を変更する
1 成功を再評価し、ほめることの重要性
2 経験を再検討することの重要性
V.思考の停止
1 それ以上の治療が必要な場合
VI.精神集中
1 注意力
2 すでに身についている対処技術
3 気持をそらす
4 リラックスさせるための練習
5 催眠術
VII.消極的な患者
VIII.治療後の指示における柔軟性
Chapter 9 誇大妄想的な恐れをもつ患者の治療
I.一般的考察
II.恐怖の起源
III.認識を変える
IV.段階的脱感作療法
1 バイオフィードバック
2 恐怖症の再発
Chapter 10 恐怖心をもつ子供の治療
I.問題点の明確化
II.安全な環境
III.評価方法
IV.どんな子供にも役立つ予防法
1 ラポールを形成し、効果的にコミュニケートとする
V.診療室へ子供を誘導する
VI.治療室での子供との接し方
1 指導と協力関係の見本―子供との相互交流の基本
2 子供への接し方に関する研究
VII.歯科医の行動の影響
VIII.小児と接するうえでの一般原則
1 してもよいこと
2 避けること
IX.アシスタントの行動がもたらす効果
X.年長の子供や十代の子供について
XI.いやがられる接し方とその対策
Chapter 11 参考資料
参考文献(Bibliography)
Index