目次
第1部 バイオフィルム
第1章 生体のバイオフィルム
はじめに
1.バイオフィルムの概念
[1]自然界のバイオフィルム
[2]感染症の原因としての細菌バイオフィルム
2.細菌バイオフィルムの生物学的意義
[1]バイオフィルムの構造
[2]菌の付着とバイオフィルムの生成
[3]クォーラムセンシング(quorumsensing)機構
3.バイオフィルム感染症の臨床像とその特徴(総論)
[1]難治性感染症としての位置付け
[2]院内感染症としての位置付け
[3]耐性菌感染症としての位置付け
4.バイオフィルム感染症の診断(総論)
5.バイオフィルム感染症の治療法(総論)
6.医学領域における重要なバイオフィルム感染症(各論)
[1]呼吸器感染症
[2]感染症心内膜炎
[3]尿路感染症
7.口腔バイオフィルムが関与する重要な全身性疾患
[1]循環器系疾患
[2]誤嚥性肺炎
おわり
[1]細菌によるバイオフィルム感染症は克服できるか
[2]ばぜバイオフィルム感染症は制圧しなければならないのか
[3]今後の展望
第2章 歯面のバイオフィルム
はじめに
1.歯面上に口腔バイオフィルムが形成される過程
[1]歯萌出直後の歯面
[2]歯面のペリクル被覆
[3]初期歯面バイオフィルム
[4]ミュータンスレンサ球菌の付着・増殖
[5]歯面バイオフィルム細菌叢の増殖
[6]歯面バイオフィルムの成熟
[7]バイオフィルム下エナメル質歯面の初期う蝕
2.歯面バイオフィルム内細菌叢の特異な生態
[1]環境ストレスに応じた遺伝子発現・代謝制御
[2]細菌間の遺伝子伝達による変異率の向上
[3]歯面バイオフィルムの宿主免疫系や抗生物質、抗菌剤に対する耐性
おわりに
第2部 バイオフィルムの除去技術
第1章 バイオフィルムの検出技術
はじめに
1.プラーク染色のメカニズム
2.各種プラーク染色剤の感度
3.各種プラーク染色剤の感度(臨床例)
まとめ
第2章 バイオフィルムの物理的駆除技術
はじめに
1.う蝕予防におけるPMTCの位置付け
2.う蝕はバイオフィルム感染症
3.PMTCのステップと器材
[1]研磨ペースト
[2]PMTCツール
[3]歯面・歯周ポケット内の洗浄
[4]フッ化物塗布
4.その他の口腔ケアの手法
5.う蝕予防におけるPMTCのポイント
おわりに
第3部 ミュータンスレンサ球菌の検出技術
第1章 バイオフィルムの検出技術
はじめに
1.ミュータンスレンサ球菌とう蝕
[1]ミュータンスレンサ球菌の分類と性状
[2]ミュータンスレンサ球菌種の分布とう蝕発症との相関
2.ミュータンスレンサ球菌の分離
[1]試料の採取
[2]試料の保存と輸送
[3]分散と希釈
[4]分離用培地
[5]塗抹と培養
3.ミュータンスレンサ球菌種の同定
[1]コロニー形態による同定
[2]非典型コロニーの同定
おわりに
第2章 ミュータンスレンサ球菌選択培地の改良と新検査システムの確立
はじめに
1.MSB培地上に発育したコロニーの同定
2.改良MSB培地の作製
3.S.mutansと他のレンサ球菌に対する各種抗生物質のMIC測定
4.臨床検体からのミュータンスレンサ球菌の分離
5.測定システムの開発
[1]使用培地
[2]嫌気培養の採用
[3]検体希釈の実施
[4]スパイラル装置とコロニーカウンターの使用
6.測定方法概略
おわりに
第3章 改良MSB培地を用いたう蝕疫学調査
はじめに
1.改良MSB培地を用いて行こう疫学調査
[1]採取する時間帯
[2]検体
[3]希釈・接種
[4]培養・カウント
[5]菌数の計算
2.刺激唾液を試料とした疫学調査の例
[1]被験者および方法
[2]MSB培地と改良MSB培地の菌数比較
[3]刺激唾液中の菌数
[4]う蝕経験に影響を及ぼす要因の検討
第4章 改良培地と新検査システムの臨床応用
はじめに
1.改良培地の開発
2.対象および方法
3.ラボからの結果報告(コロニー形態による判定)
4.患者への報告
5.保存菌株の同定
6.臨床応用の展望
第4部 う蝕リスク診断の動向
第1章 う蝕リスクの臨床的評価方法
はじめに
1.う蝕リスク評価方法の予測性
2.う蝕リスク評価項目
[1]疫学的パラメータ(萌出後菌芽年齢、過去のう蝕経験)
[2]再石灰化能
[3]プラーク顕示
[4]う蝕細菌のレベル
[5]唾液の分泌速度の緩衝能
[6]歯面研磨と超音波による歯面清掃
3.う蝕リスクのある歯面の特定方法
4.う蝕リスクの臨床症例
まとめ
第2章 う窩形成前う蝕病変の診断と治療-一般歯科診療所における例-
はじめに
1.う蝕に関するリスク因子の診断方法
2.リスク因子の評価方法およびその妥協性
[1]メインテナンス期間における新規う蝕の発生に対する解析
[2]小児のメインテナンス患者における定期管理の重要性
3.う窩形成前う蝕病変の診断結果に基づく治療方法
[1]ミュータンスレンサ球菌ハイリスク者への対応
[2]乳酸桿ハイリスク者への対応
[3]唾液分泌量と唾液緩衝能ハイリスク者に対する対応
[4]食生活指導
[5]フッ化物の使用の有無
[6]萌出直後の臼歯部咬合面裂溝への対応
[7]唾液の流れと関連したハイリスク部位への対応
[8]DIAGNOdentによるう蝕診断の結果に応じた処置
4.トータルリスクについての考え方
5.著者らの診療所におけるリスク因子に対する対応
[1]トータルリスクの調査とその評価の分析
[2]12歳におけるう蝕の管理状況
[3]症例:カリエスフリーを目指した長期経過観察
[4]まとめ
おわりに
第5部 ミュータンスレンサ球菌の除菌技術
第1章 現在使用可能な技術
はじめに
1.Dental Drag Delivery System(3DS)
2.3DSの除菌学
[1]口腔細菌叢とミュータンスレンサ球菌
[2]細菌学的コントロール機序
3.除菌外来での3DSの実施
[1]3DSに先行するバイオフィルムの物理的除去
[2]3DSに応用される使用薬剤
[3]3DSの臨床結果と除菌外来での実施プロトコール
4.海外での3DS
おわりに
第2章 今後期待される技術
はじめに
1.3DSで期待される薬剤
[1]モノクローナル抗体
[2]キトサン
[3]ヒドロキシアパタイト
[4]ディフェンシン
2.3DS以外の除菌技術
[1]電解酸性水
[2]レーザー
[3]抗菌性モノマー
[4]ワクチン
第6部 現在のう蝕予防
第1章 ミュータンスレンサ球菌の感染防止と除菌によるう蝕予防
はじめに
1.病原体の感染経路
2.母子感染
3.ミュータンスレンサ球菌球菌の感染
[1]乳幼児期の感染
[2]乳幼児期の口腔レンサ球菌の分布
[3]歯の萌出後における口腔レンサ球菌の感染
[4]年齢の推移におけるミュータンスレンサ球菌の変化
4.ミュータンスレンサ球菌の感染予防
5.ミュータンスレンサ球菌の除菌
[1]クロルヘキシンジン
[2]PMTC
[3]抗体
[4]Dental Drug Delivery
第2章 食品によるう蝕予防
はじめに
1.スクロースとう蝕の基礎医学的、疫学的検証
[1]動物実験による基礎医学的手法
[2]疫学的手法
[3]基礎医学的、疫学的研究からの結論
2.代用甘味料
[1]各種の代用甘味料
[2]代用甘味料の機能性
[3]糖アルコールとう蝕予防
[4]再石灰化促進物質
3.機能性食品
[1]食品における3つの機能
[2]機能性食品の開発推進
第3章 歯質の修復、強化によるう蝕予防
はじめに
1.フッ化物の応用法
2.歯科臨床でのフッ化物応用
[1]フッ化物配合歯磨剤
[2]フッ化物含有洗口剤の利用指導
[3]フッ化物歯面塗布剤
[4]イオン導入法
[5]フッ化物とレーザーの併用
3.う蝕歯に対する修復法
[1]診断法
[2]修復処置法
4.う蝕発生と予防と疫学モデル
[1]プラークの疫学
[2]フッ化洗口法によるう蝕予防の疫学モデル
第4章 う蝕予防による経済効果
はじめに
1.保険医療の経済評価が必要な理由
2.保険医療における経済表かに必要な概念と方法
[1]保険医療の経済評価に必要な概念(機会費用、限界)
[2]経済評価の方法
3.歯科保険医療における経済評価の現状
[1]世界の状況
[2]国内の状況
4.歯科医業との関連
[1]う蝕治療のニーズ量について
[2]医師誘発需要について
[3]診断室における予防について
第7部 う蝕予防のマニュアル化
第1章 う蝕予防マニュアルの世界的動向
はじめに
1.インターネットを使った情報検索
[1]辞書サービス
[2]有用性の高い情報検索
[3]系統的な情報検索
2.情報の統合化
[1]ガイドライン
[2]Systematic Review
[3]日本における学校歯科保険指導要綱
3.政府、公的機関が公開しているインターネット上の情報
[1]NHSサイト
[2]Cariologyサイト
[3]IHCFサイト
[4]NIHカンファレンス
[5]WHOサイト
4.医療保険
第2章 う蝕予防の国内における動向
はじめに
1.う蝕有病状況の推移について
[1]う蝕有病状況の推移
[2]う蝕有病状況の変化に影響したと考えられる要因
2.国内で実施されているう蝕予防とその評価について
[1]う蝕予防対策の種類
[2]有用性を評価するポイントについて
3.各種う蝕予防対
策の評価
[1]フッ化物洗口
[2]フッ化物歯面塗布
[3]フッ化物配合歯磨剤
[4]フッ化物溶液によるブラッシング
[5]学校におけるブラッシング(から磨き)
[6]シーラント
[7]フッ化ジアンミン銀の塗布
[8]健康教育
4.推奨できるう蝕予防対策と今後の展望
[1]推奨できるう蝕予防対策
[2]健康日本21の目標値を達成するために必要なこと
[3]う蝕予防対策推進のための基盤づくりについて
付録
[1]水道フッ化物添加
[2]う蝕活動性試験
う蝕予防臨床マニュアル
1.3DSの目的と歯科臨床上の意義
[1]3DSの意義
[2]3DSによる除菌療法の目的と概要
[3]3DSによる除菌療法の対象者
2.除菌療法導入のための前準備
[1]受診者へのインフォメーション
[2]受診者への資料作り
[3]受診者に伝えておきたい情報
[4]料金体系の設定
[5]院内での担当者・業務範囲・トレーニング
[6]検査会社との契約
3.除菌療法前のリスク診断
[1]う蝕のリスク診断
[2]う蝕のリスク検査の手順
4.リスク診断に基づいた治療計画の立案
[1]カリエス検査報告書の見方
[2]予防計画の立案
[3]受診者への報告、説明の仕方
5.3DSによる除菌療法の実際
6.除菌療法の効果判定・経過観察
おわりに
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