目次
第1章 歯周組織の解剖学 Anatomy of the Periodontium
Jan Lindhe/Thorkild Karring and Mauricio Araujo
はじめに
歯肉
1.マクロの解剖学
2.ミクロの解剖学
歯根膜
歯根セメント質
歯槽骨
歯周組織の血液供給
歯周組織のリンパ系
歯周組織の神経分布
第2章 歯周疾患における疫学 Epidemiology of Periodontal Diseases
Panos N. Papapanou and Jan Lindhe
疫学の方法論
1.診査方法-インデックスシステム
2.厳密な評価
歯周疾患の有病率
1.概論
2.成人における歯周炎
3.児童期と青年期における歯周炎
4.歯周炎と歯の喪失
歯周炎のリスクファクター
1.概論と定義
2.歯周炎の推定上のリスクファクターに関する研究
3.縦断研究と総括
歯周感染と全身疾患のリスク
1.アテローム性動脈硬化症-心臓血管/脳血管疾患
2.早産
3.糖尿病
まとめ
第3章 デンタルプラークと歯石 Dental Plaque and Calculus
Niklaus P. Lang/Andrea Mombelli and Rolf Attstrom
微生物学的考察
プラーク形成の概略
バイオフィルムとしてのデンタルプラーク
デンタルプラークの構造
1.歯肉縁上プラーク
2.歯肉縁下プラーク
3.インプラント周囲プラーク
歯石
1.臨床的所見、分布および臨床診断
2.歯面および
インプラントへの付着
3.石灰化、構成成分および構造
4.臨床的意味
第4章 歯周疾患の微生物学 Microbiology of Periodontal Disease
Sigmund S. Socransky and Anne D. Haffajee
はじめに
1.歯周疾患と他の感染症との類似点
2.歯周感染のユニークな特徴
歴史的背景
1.初期の研究
2.微生物への関心の低下
3.非特異的プラーク仮説
4.混合嫌気性菌感染症
5.歯周疾患の細菌学的病因論の特異性への回帰
6.変わりゆく歯周疾患の細菌病因論の考え方
現在推定されている破壊性歯周疾患の病原体
1.歯周病原菌の定義の基準
2.歯周病原菌
3.混合感染
デンタルプラークの本質-バイオフィルムとして
1.バイオフィルムの世界
2.バイオフィルムの性質
3.歯周疾患の原因となる
口腔バイオフィルム
4.細菌の集合体
5.歯肉縁下バイオフィルムの組成に影響する因子
6.歯肉縁上・縁下バイオフィルムの細菌組成
歯周疾患の発症および進行の条件
1.強毒歯周病原菌
2.局所環境
3.宿主の感受性
病原メカニズ
歯肉縁下細菌の定着のための必須因子
おわりに
第5章 歯周疾患における宿主-寄生体相互作用
Host-Parasite Interactions in Periodontal Disease
Denis F. Kinane, Tord Berglundh and Jan Lindhe
歯周疾患の発病と進行
1.歯周疾患の発病
2.開始期病変、早期病変
確立期病変および進行期病変宿主‐寄生体相互作用
1.微生物のビルレンス(毒性)因子
2.宿主防御過程
全体のまとめ
第6章 修飾因子:糖尿病、思春期、妊娠、更年期および喫煙
Modifying Factors: Diabetes, Puberty, Pregnancy and
the Menopause and Tobacco Smoking
Richard Palmer and Mena Soory
糖尿病
1.1型および2型糖尿病
2.臨床症状
3.口腔と歯周組織への影響
4.歯周感染と糖尿病
コントロールの関連
5.糖尿病における宿主/細菌関係の修飾
6.歯周治療
思春期、妊娠および更年期
1.思春期と月経
2.妊娠
3.妊娠期間中の歯周治療
4.更年期と骨粗鬆症
5.ホルモン性避妊薬
喫煙
1.喫煙者における歯周疾患
2.喫煙における宿主/細菌関係の修飾
3.禁煙
第7章 プラーク誘発性歯肉疾患 Plaque Induced Gingival Disease
Noel Claffey
歯肉炎の組織病理学的特徴
局所要因に関連する歯肉炎
1.エナメル真珠とセメント質剥離のような歯の異常
2.歯科修復物
3.歯根破折
4.歯頸部歯根吸収
プラーク誘発性歯肉炎の治療
内分泌因子により修飾された
歯肉疾患(第6章参照)
1.妊娠性歯肉炎
2.思春期性歯肉炎
3.月経周期関連歯肉炎
4.妊娠に伴う化膿性肉芽腫
栄養失調により修飾された歯肉疾患
全身状態により修飾された歯肉疾患
1.糖尿病
2.白血病およびその他の
血液形成異常
薬物により修飾された歯肉疾患
壊死性潰瘍性歯肉炎(第10章参照)
1.微生物学、宿主応答および素因
2.急性壊死性潰瘍性歯肉炎における宿主応答
3.壊死性潰瘍性歯肉炎の治療
第8章 慢性歯周炎 Chronic Periodontitis
Denis F. Kinane and Jan Lindhe
慢性歯周炎に対するリスクファクターあるいは感受性
1.細菌のリスクファクター
2.年齢
3.喫煙
4.宿主応答との関連
歯周治療の科学的根拠
1.歯の喪失
2.歯肉縁下のインスツルメンテーションとメインテナンス
外科治療の効果
外科的および非外科的治療法の比較
第9章 急速破壊性歯周炎 Aggressive Periodontitis
Maurizio S. Tonetti and Andrea Mombelli
分類と臨床症状
疫学
1.乳歯列
2.永久歯列
3.スクリーニング
病因と病原因子
1.細菌学的病因
2.歯周組織に対する細菌の侵襲
3.細菌性病原に対する宿主応答
4.宿主感受性の遺伝学的側面
5.宿主感受性の環境的側面
6.現在の概念
診断
1.臨床診断
2.微生物学的診断
3.遺伝学的診断
治療の原則
病原細菌叢の除去と抑制
第10章 壊死性歯周疾患 Necrotizing Periodontal Disease
Palle Holmstrup and Jytte Westergaard
命名法
有病率
臨床的特徴
1.病変の経過
2.歯間部クレーター
3.腐骨形成
4.歯槽粘膜への波及
5.リンパ節腫脹
6.発熱および倦怠感
7.口腔衛生
8.壊死性歯肉炎および壊死性歯周炎の急性型と再発型/慢性型
診断
鑑別診断
組織病理学
微生物学
1.壊死性病変から分離された微生物
2.微生物の病原性の可能性
宿主応答と素因
1.全身疾患
2.不良な口腔衛生、先在する歯肉炎とNPDの病歴
3.心理的ストレスと睡眠不足
4.喫煙とアルコールの習慣
5.白人の家系
6.若い世代
治療
1.急性期の治療
2.メインテナンス期の治療
第11章 歯周膿瘍 The Periodontal Abscess
Mariano Sanz, David Herrera and Arie J. van Winkelhoff
分類
1.歯周炎関連性膿瘍
2.歯周炎非関連性膿瘍
有病率
病因論と組織病理学
微生物学
診断
鑑別診断
治療
合併症
1.歯の喪失
2.感染の伝播
第12章 非プラーク誘発性炎症性歯肉病変
Non-Plaque Induced Inflammatory Gingival Lesions
Palle Holmstrup and Daniel van Steenberghe
特異細菌性歯肉疾患
ウイルス性歯肉疾患ヘルペス(疱疹)ウイルス感染
真菌性歯肉疾患
1.カンジダ症
2.綿状歯肉紅斑
3.ヒストプラズマ症
遺伝性歯肉病変
遺伝性歯肉線維腫症
全身疾患に関連した歯肉疾患
1.粘膜皮膚疾患
2.アレルギー反応
3.全身状態に関連した他の歯肉症状
外傷性病変
1.化学的損傷
2.機械的損傷
3.熱損傷
4.異物反応
第13章 鑑別診断:歯周組織の腫瘍と嚢胞
Differential Diagnoses: Periodontal Tumors and Cysts
Palle Holmstrup and Jesper Reibel
歯周軟組織の反応性病変
1.線維腫/限局性(巣状)線維性過形成
2.石灰化線維芽細胞性肉芽腫
3.膿原性肉芽腫
4.周辺性巨細胞肉芽腫
歯周硬組織の反応性病変
根尖性セメント質異形成症
歯周軟組織の良性腫瘍
1.血管腫
2.母斑
3.乳頭腫
4.尋常性疣贅
5.周辺性歯原性腫瘍
歯周硬組織の良性腫瘍
1.エナメル上皮腫
2.歯原性扁平上皮腫
3.良性セメント芽細胞腫
歯周軟組織の悪性腫瘍
1.扁平上皮癌
2.歯肉の転移性腫瘍
3.カポジ肉腫
4.悪性リンパ腫
歯周硬組織の悪性腫瘍
1.骨肉腫
2.ランゲルハンス細胞病
歯周組織の嚢胞
1.歯肉嚢胞
2.側方性歯周嚢胞
3.炎症性歯周嚢胞
4.歯原性角化嚢胞
5.歯根嚢胞
第14章 歯内療法学と歯周病学 Endodontics and Periodontics
Gunnar Bergenholtz and Gunnar Hasselgren
歯髄内の病的状態が歯周組織に及ぼす影響
1.生活歯髄の状態による影響
2.歯髄壊死の影響
3.辺縁部歯周組織に発現する側枝由来の歯内病変の徴候辺縁部歯周組織に発現する
急性歯内由来病変の徴候
歯内療法が歯周組織に及ぼす影響
1.歯根穿孔
2.垂直性歯根破折
歯根外部吸収の影響
1.硬組織吸収のメカニズム
2.歯根外部吸収の臨床症状
3.歯根外部吸収の異型
歯周疾患が歯髄に及ぼす影響
歯周治療が歯髄に及ぼす影響
1.SRP
2.歯根象牙質知覚過敏症
歯周治療における多根歯の根分割における歯内療法学的配慮
鑑別診断の際考慮する点
歯内‐歯周病変に対する治療方法
第15章 咬合性外傷 Trauma from Occl
usion
Jan Lindhe/Sture Nyman and Ingvar Ericsson
定義と用語
咬合性外傷とプラークに起因する歯周病
1.ヒトの死体解剖による分析
2.臨床研究
3.動物実験
結論
第16章 全身疾患のリスクとしての歯周炎
Periodontitis as a Risk for Systemic Disease
Ray C. Williams and David Paquette
口腔感染が全身疾患を引き起こすという1900年代初頭の考え
リスクの概念
リスクの概念の理解
冠動脈性心疾患のリスクとしての歯周炎
1.他の研究結果との整合性、関連の強さ、関連の特異性
2.歯周炎と冠動脈性心疾患の関連の特異性
3.正しい時系列
4.曝露の程度
5.生物学的妥当性
6.実験的証拠
妊娠時合併症のリスクとしての歯周炎
糖尿病合併症のリスクとしての歯周炎
呼吸器感染のリスクとしての歯周炎
まとめ
第17章 歯周炎に関連する遺伝学 Genetics in Relation to Periodontitis
Bruno G. Loos and Ubele Van der Velden
序論と定義
歯周炎における遺伝子の役割の論拠
1.急速破壊性歯周炎(早期発症性歯周炎)の遺伝
2.慢性歯周炎(成人性歯周炎)の遺伝
3.双生児モデル
ヒト遺伝子と多型一般的な病気における遺伝学
歯周炎に関連した主要疾患遺伝子
歯周炎における疾患修飾遺伝子
サイトカイン遺伝子の多型
1.IL-1遺伝子の多型
2.TNF-α遺伝子の多型
3.IL-10遺伝子の多型
FcγR遺伝子の多型
今後の展望
和文索引
欧文索引