目次
はじめに
プロローグ 座談会
歯科衛生士にカウンセリング技法が必要なわけ
第I部 ヘルスカウンセリング法と基本姿勢
-行動科学技術の最先端
第1章 行動科学に基づくヘルスカウンセリング(宗像恒次)
1.なぜ、今ヘルスカウンセリングなのか
1)生活習慣病だからこそ
2)受け手の満足が医療の質を決める時代
3)「自己決定」を望む患者が増えてきた
2.セルフケア行動を育むヘルスカウンセリング
1)ヘルスガイダンスとヘルスカウンセリングの違い
2)セルフケアを促すヘルスカウンセリングとは
3)ヘルスカウンセリングの効果
4)自己決定力を育てる
5)生き方そのものの変容が求められている
3.ヘルスカウンセリング、3つの特徴
1)3つの特徴
第2章 ヘルスカウンセリングのものの見方(宗像恒次)
1.心のストレスと健康
1)ストレス関数でみるストレスの増減
2)ストレスの慢性化
3)社会構造の変化とストレス
4)""イイコ""症候群
5)""イイコ""からの脱却
2.病気は自己成長へのサイン
1)""予防・治療モデル""から""共生・成長モデル""へ
2)自己嫌悪こそ自己成長心
第3章 ヘルスカウンセリング法とは(宗像恒次・中野智美)
1.ヘルスカウンセリング法
1)患者さんの感情を理解することで心のニードが見え、
セルフケアを支援できる
2)自分自身についての感情を知ることで自分の問題が見えてくる
3)理屈どおりにできない行動の裏にある矛盾する感情
4)構造化連想法(SAT)による効果的な右脳活用カウンセリング
5)心理パターンに気づくと、これからどうしたらいいかが見える
第4章 ヘルスカウンセリングの基本姿勢(宗像恒次)
1.4つの基本姿勢
1)観察
2)傾聴
3)確認
4)共感
第5章 カウンセリング技法と展開手順(宗像恒次・中野智美)
1.全体的な手順
1)まず聞いた質問を用い、効果的に沈黙して聴く
2)ポイントとなる気持を繰り返し、要約して確認をとる
3)各ポイントの気持の背後にある感情を明確化する
4)いちばん強い感情とクライエント自身の自己イメージとの結びつき
5)矛盾する2つの感情群を見いだし対決する
2.具体的な展開と段階別の必要な技法
1)問題意識Iのレベル
2)問題意識IIのレベル
3)問題意識IIIのレベル
4)問題解決行動のレベル
第6章 ヘルスカウンセリング法を学ぶ〔ベーシック〕(宗像恒次)
1.学習のステップと目標
2.ベーシックで学ぶ基本姿勢と技法
1)開いた質問(オープンエンド・クエスチョン)
2)閉じた質問(クローズド・クエスチョン)
3)効果的な沈黙法と体験学習法
4)効果的な促し法
5)基本姿勢としてのフォロー
6)共感的繰り返し法
7)心理ブロッキングを自覚し、意識的に避ける傾聴姿勢
8)事柄の明確化法
9)話のポイント探しをする観察姿勢
10)共感的要約法
第7章 ヘルスカウンセリング法を学ぶ〔アドバンス〕(宗像恒次)
1.アドバンスで学ぶ基本姿勢と技法
1)基本姿勢としてのテーラーリング
2)感情の明確化法
3)感情の意味の明確化法
4)自己イメージ連想法
5)逆流説明法
6)共感的励まし
7)感情の明確化から共感の癒しまで
第8章 ヘルスカウンセリング法を学ぶ〔マスター〕(宗像恒次)
1.マスターで学ぶ基本姿勢と技法
1)隠れた本当の気持ちへの気づきへ
2)心傷風景連想法 3)効果的対決法2.自己防衛心と自己成長心の矛盾の発見のための方法
1)対決前の準備 2)対決がうまくいかない場合の対策 3)心理パターンの効果的な解釈法3.心のエネルギーの活用力とカウンセラーの自己成長
第II部 歯科衛生とヘルスカウンセリングの実践
第1章 ヘルスカウンセリングを活用した受付と問診法(渡邉麻里)
1.受付と問診時におけるヘルスカウンセリングの活用の意義
2.問診に活かすヘルスカウンセリング
3.患者さんの疾患を知る・患者さんの世界を知る問診
4.受付でのヘルスカウンセリングを活用したガイダンス法
5.おわりに
第2章 プラークコントロールのヘルスカウンセリング(岩元雅子)
1.プラークコントロール時におけるヘルスカウンセリングの意義
2.母親へのカウンセリングの応用
3.子どものガイダンスへのカウンセリングの応用
4.サラリーマンへのカウンセリングの応用
5.過去の歯科受診に不信と不平不満を持つ患者へのアプローチ
第3章 口臭を主訴とする患者へのヘルスカウンセリング
(有川千登勢、福田光男、村上多惠子)
1.口臭を主訴に来院する患者へのヘルスカウンセリングの意義
2.口臭を主訴とする患者へのヘルスカウンセリングの実際
3.今後のヘルスカウンセリングの役割
第4章 歯科心身症のヘルスカウンセリング(中野智美)
1.歯科心身症に対するヘルスカウンセリングの意義
1)歯科心身症の特徴
2)歯科心身症患者への支援
2.考察
3.歯科臨床での患者の受けとめ方
第5章 顎関節症のヘルスカウンセリング(水木さとみ)
1.顎関節症へのヘルスカウンセリングの意義
2.顎関節症患者へのヘルスカウンセリングの実際
3.今後のヘルスカウンセリングの役割
第6章 歯科衛生士を支援するためのヘルスカウンセリング
(中野智美)
1.はじめに
2.事例から
3.考察
4.おわりに
第7章 癒しの歯科衛生(岩元雅子)
1.癒しへの支援
2.事例から
3.臨床におけるブラッシングの意味
第III部 ヘルスカウンセリングの歯科保健医療の場での
展開と教育
第1章 日本の歯科医療(足立 優)
1.転換期の歯科医療
1)患者の言い分
2)医療供給者の言い分
2.日本の医療問題の焦点
第2章 歯科医療の本質(足立 優)
1.医療の関係性に必要なもの
2.歯科の4つの医療様式
第3章 自己決定に基づく予防管理中心型の歯科医療の方法
(足立 優)
1.セルフケアに基づく行動を支える医療サービスへ
2.医療現場におけるコミュニケーションの技法
3.モチベーションとは
4.デンタルチームの形成
5.コミュニケーション技法活用の実際
6.このシステムにおけるカウンセリングの有用性
第4章 自己決定に基づく予防管理中心型歯科医療の実際
(足立 優)
1.自己決定により歯科的健康を獲得した一症例より
第5章 企業内歯科におけるヘルスカウンセリング(池田京子)
1.今日の企業の健康管理対策と今後の方向
1)東京ガスの例から
2)専門分野に関係なく、共通のテーマは社員の自立のための支援
2.企業内歯科におけるヘルスカウンセリングの有用性
1)ヘルスカウンセリングが企業内の保健医療活動に合っている理由
2)どのような場面で活用できるのか
3.企業内歯科においてのヘルスカウンセリングの目的と応用
1)従来の指導の問題点と今後の目標
2)社員に対してのヘルスカウンセリングの必要性
4.企業内歯科のこれからの展望
第6章 歯科衛生士学校におけるヘルスカウンセリング教育を考える
(保城 誠)
1.はじめに
2.歯科衛生士教育の中でのカウンセリング教育の必要性
3.ヘルスカウンセリング技法の教育への活用
4.学生への援助としてのヘルスカウンセリング活用法
-心理検査の利用法-
1)検査項目
2)調査結果から心理特性を考える
3)心理検査を行うことの有用性について
5.歯科衛生士教育の場での構成的グループ・エンカウンターの活用法
1)集団での活用例
2)小グループでの活用例
6.患者対応時のカウンセリング技法の活用法
7.ヘルスカウンセリング技法実習の手順
1)心理検査と説明
2)話を聴く(傾聴)練習
3)話を繰り返しポイントをつかむ練習
4)ビデオ学習
5)ヘルスカウンセリング実習(繰り返し、要約、ポイントの明確化)
6)患者実習
8.相談例―学生と卒後
1)学生の場合
2)卒後の場合
9.今後の展望
付録 心理検査尺度の説明