学会|2025年2月12日掲載

「健康長寿をサポートするインプラント治療」をテーマに1,500名超が参集

(公社)日本口腔インプラント学会第44回関東・甲信越支部学術大会開催

(公社)日本口腔インプラント学会第44回関東・甲信越支部学術大会開催

 さる2月8日(土)、9日(日)の両日、パシフィコ横浜(東京都)において、公益社団法人日本口腔インプラント学会第44回関東・甲信越支部学術大会(児玉利朗大会長、簗瀬武史支部長、細川隆司理事長)が開催された。「健康長寿をサポートするインプラント治療」をテーマとして、1,500名超の参加者を集めた。

 今回は7つのシンポジウムとメインシンポジウム、そして1つの特別講演が行われ、各分野のスペシャリストである歯科医師や歯科技工士、歯科衛生士が講演した。なかでも特に盛り上がりを見せたシンポジウムについて以下に示す。

 シンポジウム2「再生的側面からティッシュマネジメントを再検討する」では、高橋 哲氏(福島県勤務)、奥森直人氏(神奈川県開業)を座長として、西村正宏氏(鹿児島大学)、高橋氏、申 基喆氏(明海大学)が登壇し、歯槽骨欠損に対する硬組織マネジメントやインプラント周囲の軟組織マネジメントなどについて論じた。なかでも高橋氏は、インプラント治療の際には侵襲の少ない抜歯法が望ましいことから意図的分割抜歯の方法を解説し、その後、ソケットプリザベーションにおけるボナークの有用性を説いた。

 シンポジウム3「健康長寿のサポートの視点から『インプラント周囲炎予防や治療に必要な全身的リスク因子』」では、河奈裕正氏(神奈川歯科大学)、辰巳順一氏(朝日大学)の座長のもと、辰巳氏は「インプラント周囲炎のリスク因子を俯瞰する」、林 丈一朗氏(明海大学)は「インプラント周囲炎の発症とその予防」、木津康博氏(神奈川県開業)は「インプラント周囲炎の予防と治療に必要な外科的注意点」の演題で登壇。特に林氏は、インプラント周囲疾患の予防はインプラント治療前から始まっているとして、歯周治療を先に行い、インプラントは上部構造の形態不良が生じないように注意して適切な位置に埋入すると解説した。

 シンポジウム5「上顎洞底関連手術の長期予後」では、嶋田 淳氏(明海大学)、木津氏を座長として、河奈氏が「ラテラルアプローチによるサイナスリフトの長期予後」、三好敬三氏(東京都開業)が「サイナスリフトニュークレスタルアプローチ~ラテラル同様の処置をクレスタルから~」、白鳥清人氏(静岡県開業)が「ショートインプラント、および、傾斜埋入の長期予後」の演題で講演。三好氏は、クレスタルアプローチによるサイナスリフトの術式について解説し、ラテラルアプローチとほぼ同等の結果で侵襲も少ないため有用な術式であると述べた反面、テクニックセンシティブでもあるため技術の習得は必要だと強調した。

 そのほか、本会では専門医/専門歯科衛生士/専門歯科技工士の教育講座、口演発表、ランチョンセミナーなど多岐にわたるプログラムが展開され、終日盛況となった。なお、次回の第45回大会は、きたる2026年2月14日(土)、15日(日)の両日、TAKANAWA GATEWAY Convention Center(東京都)において行われる予定である。

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