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社会|2022年11月4日掲載

クインテッセンス出版(株)

関野 愉氏による第29回Webセミナーが開催

「メインテナンスの効果」をテーマに講演する関野 愉氏。
「メインテナンスの効果」をテーマに講演する関野 愉氏。
 9月22日(木)、関野 愉氏(日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座准教授)によるWEBINAR #29「エビデンス・アカデミア~メインテナンスの重要性&口腔×全身疾患の関係の伝えかた~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは『ドクター関野のエビデンス・アカデミア』(小社刊)の内容をベースに行われた。

 国内外の著名論文から日常臨床に活用できるデータを氏が吟味して紹介するというのが同書の内容だが、本セミナーでは、書籍では取り上げなかった論文をもとに「メインテナンスの効果」についての解説が行われた。

 基本となる「歯周治療後のメインテナンスの効果」については、Roslingら(1975年)の論文を取り上げ、2週間に1度のメインテナンスの有効性を示した。そして、その後Axelssonら(1983年)が「2~3か月に1度でも歯周組織の健康状態を保てる」と示したことが、現在の「メインテナンスは年に3〜4回」という考えの根拠になっていると述べた。

 「再生療法後のメインテナンスの効果」については、CortelliniとTonetti(1994年)の論文をもとに解説。メインテナンスを通じて良好な口腔状態を維持することが長期的な歯周組織の安定に必須となると説明し、最大の失敗要因には患者がメインテナンスに来なくなることを挙げた。

 講演後には質疑応答が行われ、「歯周治療において非外科と外科どちらを用いるべきか」「アドヒアランスの高い患者とはどのような人か」などの質問に氏が臨床実感を交えて回答した。