社会|2024年7月1日掲載

インハウスアライナーと生成AIをテーマに

包括的矯正歯科研究会(IOS)、2024年第2回例会を開催

包括的矯正歯科研究会(IOS)、2024年第2回例会を開催

 さる6月30日(日)、野村コンファレンスプラザ日本橋(東京都)およびWeb配信にて包括的矯正歯科研究会(IOS、綿引淳一代表)による2024年第2回例会が、「インハウスアライナー:生成AIが歯科界にもたらすもの」をテーマに開催された。現地には約40名、オンラインからは約25名が参加し盛会となった。

 当日は、大会長の行田長隆氏(東京都開業)の司会のもと、進行した。まず、間所 睦氏(東京都開業)と内田友幸氏(Dental Brain株式会社CTO)が登壇し、シンポジウム形式で発表を行った。間所氏は、「内製化によるアライナー矯正の課題解決と将来」と題し、自身のアライナー矯正歯科治療の手技の進化について解説。そのうえで、2023年から導入したインハウスアライナーの製作フローを説明した。間所氏は、インハウスアライナーは装置の製作コストなどがメリットとして挙げられることが多いが、それよりも矯正歯科治療中のトラブルに臨機応変に対応できる点のほうが重要であると強調した。

 次に、内田氏が「急速なAIの発展がもたらす歯科分野への影響について」と題し講演した。AIによるセファロ分析システム「DIP Ceph」を開発するなどAIシステムの研究者である内田氏は、「ChatGPTなどの生成AIの開発者はセファロ分析の方法は知らないだろうが、AIは独自にそれを学習し一定レベルの回答を行うことができる点は驚異的である」とAIの影響の大きさを総評した。さらに、海外でリリースされている画像分析や画像整理を行うアプリケーションやカスタムアライナーを設計するソフトウェアなどを紹介した。

 その後は会員発表として、篠塚有希氏(東京都勤務)が「重度叢生と歯肉退縮を伴う上下顎前突患者に対してDIP法を用いて治療を行った一症例(タイポドント実習症例)」について、和田明大氏(東京都勤務)が「下顎後退を伴う上顎前突症に対し、包括的矯正治療によって審美と機能の回復を行なった一症例」について、それぞれ講演した。

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