社会|2025年4月28日掲載

泉 英之氏、斎田寛之氏、月星太介氏、平井友成氏が「自家歯牙移植・再植」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第70回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第70回WEBINARを開催

 さる4月24日(木)、泉 英之氏(滋賀県開業)、斎田寛之氏(埼玉県開業)、月星太介氏(愛知県勤務)、平井友成氏(福岡県開業)による第70回WEBINAR「自家歯牙移植・再植」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、泉氏らが執筆した別冊ザ・クインテッセンス『YEARBOOK 2025 8ステップで学ぶ! 自家歯牙移植Q&A』の内容をベースに行われた。

 冒頭、泉氏は「2025年のいま、なぜ自家歯牙移植なのか?」と題し、自家歯牙移植の総論を解説。インプラント治療と比較しながら、自家歯牙移植がもつ骨再生促進効果や、加齢にともなう自然な歯の移動、インプラント周囲炎リスクの回避など、多くのメリットを挙げた。一方で、年齢制限や術者の技術に左右される点をデメリットとして指摘し、インプラント治療との適切な棲み分けの重要性を説いた。

 続いて、月星氏は自家歯牙移植成功のためのプロトコルを紹介。歯根膜の保存を最優先事項とし、ドナー歯と移植床の適合度、患者の年齢、術者の技術などが成功因子であることを説明した。臨床動画も供覧され、実際の手技のポイントが具体的に示された。

 斎田氏は「自家歯牙移植による歯周組織再生と咬合支持の回復」と題し、歯根膜がもつ組織再生の可能性を解説。重度歯周病による抜歯症例でも、適切なプロトコルを経ることで再生を誘導できることを、複数の症例を通じて実証した。

 最後に、平井氏は難治性根尖性歯周炎に対する意図的再植の適応と手技を解説。意図的再植のメリットとデメリットを整理し、成功のためには適切な症例選択と外科的技術が不可欠であると述べた。

 講演後の質疑応答では、参加者から自家歯牙移植の長期生存率や失敗原因、インプラントとの選択基準、具体的な手技・方法に関する質問が寄せられた。

 なお、本講演の振り返り配信は、2025年7月24日まで購入が可能である。次回のWEBINAR#71は、きたる5月22日(木)、和田淳一郎氏(東京科学大学)を招聘し、「咬合挙上 その意思決定と臨床手技」が開催予定である。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはこちらから。

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