学会|2024年9月24日掲載

歯科衛生士の日頃の研究成果を共有し合った3日間

日本歯科衛生学会第19回学術大会開催

日本歯科衛生学会第19回学術大会開催

 さる9月21日(土)から23日(月)の3日間、朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟県)において、日本歯科衛生学会第19回学術大会(江川広子大会長、吉田幸恵学会長)が「ライフコースを通した健口文化の醸成」をメインテーマに開催された。

 1日目には、第1回専門領域別・研究集会が開催され、医療連携・口腔健康管理、口腔健康教育、地域連携・口腔健康管理の3分野に分けて発表があった。それぞれ、船原まどか氏(九歯大歯学部口腔保健学科)・松田悠平氏(島根大医学部歯科口腔外科学講座)、田野ルミ氏(国立保健医療科学院生涯健康研究部)・柏井伸子氏(歯科衛生士・有限会社ハグクリエイション)、三好早苗氏(広島県歯科衛生士会)・板木咲子氏(歯科衛生士・医療法人ピーアイエーナカムラ病院)が発表した。そのなかで三好氏は、高齢者が集まってフレイル予防に取り組む「通いの場」に継続的にかよっている人びとの口腔・身体機能の変化についての横断研究を基にした結果を発表した。

 2日目は特別講演として、「低栄養予防における栄養・歯科連携の推進」をテーマに斎藤トシ子氏(新潟医療福祉大名誉教授)が登壇。新潟県栄養士会会長という立場から、歯科を含む多職種と栄養士との連携について、学生時代からの取り組みなども含めて語った。

 3日目は「健口文化の醸成を見据えたライフコースアプローチ―臨床と地域保健の融合―」をテーマにシンポジウムが行われた。このシンポジウムでは、まず基調講演として葭原明弘氏(新潟大医歯学総合研究科口腔保健学分野)が、「健口文化の醸成を見据えたライフコースアプローチ―臨床と地域保健の融合―」と題して後に続く3講演の概論を述べた。その後、講演1として浦邉萌絵氏(歯科衛生士・新潟県福祉保健部健康づくり支援課歯科保健係)が、「歯科保健推進における行政の立場から」と題して全国でも小児のう蝕罹患率が低い新潟県の今までの取り組みについて解説した。講演2として「歯周治療における臨床の立場から」と題して坂井由紀氏(笹出線歯科クリニック・歯科衛生士)が診療所における患者の行動変容には内的モチベーションが大切であることを述べた。最後に講演3として「介護・重度化予防における地域活動歯科衛生士の立場から」と題して樋口聖子氏(上越歯科医師会在宅歯科医療連携室登録歯科衛生士)が、地域包括ケアシステムのなかで歯科衛生士が果たしている役割について述べた。

 本学会では、他にも県民フォーラム、ランチョンセミナー、口演発表、ポスター展示、商業展示が行われた。また、会期中の3日間にわたり、約1,400名の参加者が集結して歯科衛生士業務における日頃の研究成果を共有した。

 なお、次回の日本歯科衛生学会第20回学術大会は、きたる2025年11月1日(土)から3日(月)の3日間、昭和大学上條記念館(東京都)にて行われる予定である。

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