学会|2025年1月28日掲載
「デジタルテクノロジーと口蓋アンカースクリューを極める~プラス隣接医学との融合~」をテーマに
第7回日本先進矯正歯科学会学術大会開催
さる1月26日(日)、全電通労働会館(東京都)において、第7回日本先進矯正歯科学会学術大会(斉宮康寛大会長・学会長)が、「デジタルテクノロジーと口蓋アンカースクリューを極める~プラス隣接医学との融合~」をテーマに開催され、全国から100名以上が参集した。
午前の部「最強のデジタルテクノロジーを学ぶ」では、金尾 晃氏(岡山県開業)による「インハウス・アライナーの基礎と応用―製作方法・材料を考察して―」、濵中 僚氏(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正学分野)による「デジタルセットアップと3次元重ね合わせを用いた診断と評価」が行われた。金尾氏は、アライナー型矯正装置の院内製造について具体的なワークフローを解説し、さらに米国矯正歯科学会(AAO)が推奨するデジタル機器や材料の情報を紹介した。濵中氏は、歯根情報を反映できるデジタルセットアップの利点、治療前後の三次元データの重ね合わせによる診断と評価の実際について症例を交えて解説した。
続いて午後の部のシンポジウム「口蓋アンカースクリューを極める」では、山口修二氏(埼玉県開業)による「デジタル技術を応用した次世代型3Dメタルプリント矯正装置」、佐藤廉也氏(宮城県開業)による「ダブルトラクションによる前歯部のトルクコントロール」、安井正紀氏(神奈川県開業)による「歯槽骨内における歯根位置を考慮した矯正治療のアプローチと症例報告」、斉宮氏による「いかにシンプルで効率的なメカニクスを構築できるか」が行われた。このうち、山口氏、佐藤氏、斉宮氏はそれぞれに、自身が開発した口蓋に植立するタイプの歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正装置の特徴とメカニクスについて紹介し、実際に使用した症例を供覧した。また安井氏は、「前歯部では歯体移動が必ずしも最善ではなく、三次元的に歯槽突起の厚みと歯根位置を評価したうえで適切に傾斜移動を選択することも重要である」と見解を述べた。
そのほか、宮脇剛司氏(東京慈恵会医科大学形成外科講座主任教授)による教育講演「鼻中隔外鼻形成術と顎変形症」、川原 淳氏(神奈川県開業)によるランチョンセミナー「デンタルインプラントを回避するシングルリテーナー接着ブリッジの臨床応用」、招待演者によるパネルディスカッションが行われ、盛会のうちに終了した。