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学会|2023年4月9日掲載

日本歯科医学会

新歯科医療提供検討委員会フォーラムを開催

最終答申書の作成に向け、有意義な意見交換がなされた。
最終答申書の作成に向け、有意義な意見交換がなされた。
 2月27日(月)、日本歯科医学会(住友雅人会長)による日本歯科医学会新歯科医療提供検討委員会フォーラムが「地域支援型多機能歯科診療所(医療機関)の役割とあるべき姿」をテーマにWeb配信にて開催された。

 同学会の新歯科医療提供検討委員会(立浪康晴委員長)は、前執行部が策定した答申「2040年を見据えた新歯科医療提供に関する答申書―多機能の歯科診療所いわゆる1.5次歯科医療機関(診療所)の役割とあるべき姿に関する提案―」を基に、現執行部が地域支援型多機能歯科診療所(医療機関)の普及に向けた具体的な方向性について、2022年7月に中間答申書を取りまとめた。本フォーラムは、最終答申の策定に向けて有識者から幅広い意見をくみ上げるべく開催された。

 開会後、住友氏による主催者挨拶では、本会の開催趣旨とともに、近年多様化する歯科ニーズや歯科界の抱える山積する課題解決に向けた歯科診療所モデル「地域支援型多機能歯科診療所」の構想が解説された。

 その後は、立浪氏による講演「2040年を見据えた歯科医療体制の新機軸として期待される地域支援型多機能歯科診療所」、石田義幸氏(新歯科医療提供検討委員会委員)による講演「地域支援型多機能歯科診療所に求められる役割とモデル歯科診療所」、永山正人氏(同委員)による講演「地域支援型多機能歯科診療所は経営的に成り立つか?」がそれぞれ行われた。3氏はそれぞれの立場から「地域支援型多機能歯科診療所」の普及に向け解消すべき課題の明確化や、地域医療との連携をふまえた医療機関としての立ち位置などをテーマに解説した。

 講演後は質疑応答が行われ、「地域支援型多機能歯科診療所」の構想を具体化させていくうえで、開業地域や勤務形態などの違いから生じる所感が参加者から数多く述べられ、有意義な意見交換が交わされた。

 最後は、武田俊彦氏(日本歯科医師会特別顧問)より「『地域支援型多機能歯科診療所』は、現場の医療従事者が受け入れやすい地域医療に根付くような連携を基軸としたモデルや名称について検討していくべきではないか」との意見が述べられた。