社会|2021年3月6日掲載
クインテッセンス出版株式会社
小濱忠一氏による第2回Webセミナーを開催
小濱氏は「前歯部領域における治療のゴールは今も昔も不変であるが、治療戦略は時代に応じて変化するため、今回は最新の治療戦略を詳説する」と冒頭で述べ、まず文献と臨床の両面において抜歯後即時インプラント埋入の術式が支持されることを示した。
続いて、即時治療に際して問題になりやすい、抜歯前の感染などに起因した骨欠損形態と埋入後に発生する唇側骨とのギャップへの対応について自身の臨床例を供覧。骨移植材としては比較的吸収の遅い異種骨と他家骨の混合が有効であること、また術後の歯肉退縮はインプラントポジション、歯肉の厚み、そして上部構造の形態に大きく影響されることを説明した。
そして、今回のテーマである即時治療は、待時治療に比べて審美的な優位性のみならず術式の単純化、治療期間の短縮や低侵襲という面で、患者からも望まれる術式であるとした。とはいえ、即時治療に抵抗を覚える臨床家も少なくないなかで、効率的に自身の臨床に即時治療を取り入れるコツや、テクニック偏重の現在の潮流に警鐘を鳴らし、術前の検査・診断の力を身につけることが何よりも大切であると聴講者に力強いメッセージを送り、盛況となった。