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学会|2020年3月27日掲載

日本口腔腫瘍学会

第38回総会・学術大会が成功裏に終幕

シンポジウムにおける質疑応答の様子。
シンポジウムにおける質疑応答の様子。
 1月23日(木)、24日(金)の両日、一橋大学一橋講堂および学士会館(東京都)において、第38回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会(太田嘉英大会長、桐田忠昭理事長)が多彩なプログラムのもと開催された。

 「公募シンポジウム 地域医療に学ぶ、口腔がん検診の実情と展望」では、はじめに座長の片倉 朗氏(東京歯科大学教授)が、2018年に日本口腔外科学会関連医療連携委員会が全国の歯科医師会を対象に行った口腔がん検診の実態調査から、口腔がん検診を行っているのは全国の約4分の1の団体、実施している主体の8割以上は群市区レベル、実施の半分程度はイベント的な開催など、現状や課題を紹介した。続いて、6名の演者から各地域における、口腔がん検診の取り組みが報告され、行政との連携による事業化や予算確保、受診者の費用負担、検診の担い手となる歯科医師の研修やスキルアップ、検診実施による結果など、実例が提示された。また、集団検診の有効性の問題、検診後のフォロー体制、歯科医師の判定精度の向上や人材確保などの課題が指摘された。

 がんに対する診断や治療技術の進歩は目覚ましく、さらなる発展により、多くの患者に恩恵をもたらすと思われる。そのようななか、口腔がんはステージⅢやⅣの進行がんとして発見されることが少なくないとされるだけに、国民の期待に応えうる歯科関係者の育成が求められるとともに、日ごろの管理や定期的な歯科受診の重要性などを広く啓発し、早期の発見・対応につなげることが必要である。本学会の積極的な取り組みが期待される。

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