2016年1月9日掲載
ペリオ、エンド、インプラントなどの臨床へのCBCTの有用性が述べられる
第27回ヨシダCTユーザーミーティング開催
1日目は、2日間を通じて座長を務めた小宮山彌太郎氏(東京都開業)の基調講演で始まり、古賀剛人氏(千葉県開業)、船登彰芳氏(石川県開業)、寺西邦彦氏(東京都開業)、上田秀朗氏(福岡県開業)、夏堀礼二氏(青森県開業)、添島正和氏(熊本県開業)、蓑輪隆宏氏(北海道開業)、田代浩史氏(静岡県開業)、長谷川嘉昭氏(東京都開業)、松本勝利氏(福島県開業)による講演が行われ、インプラント治療、口腔外科治療、歯周治療などにおけるコーンビームCT(CBCT)の活用について語られた。
CBCTから得られる情報を上記治療の診査・診断における骨状態、下顎管の位置、上顎洞の形態確認や、外科手術後の確認などに活用することで、より治療の安全性を高められることが紹介された。
また、CBCTを活用することで、パノラマX線画像だけではわからない頬舌的な骨の状態の確認ができること、根管形状、根尖病変の診断に非常に有効であることなどのメリットが挙げられる一方で、CT撮影による被曝線量についても言及がなされ、患者の安全性に配慮した講演内容が展開された。
講演後のディスカッションでは、小宮山氏がインプラント治療における医療訴訟やトラブルが増えていることに対して触れ、術前に患者のかかりつけ医師との対診を行い全身管理のための情報を集め、記録を正確に残すことが重要であるとした。
2日目の講演では、前日の内容を受け、渥美克幸氏(埼玉県開業)、寺内吉継氏(神奈川県開業)、根本康子氏(東京都開業)、佐藤孝弘氏(新潟県開業)、高橋雄三氏(東京都開業)、眞坂信夫氏(東京都開業)、中村佐和子氏(東京都)、林 揚春氏(東京都開業)、船越栄次氏(福岡県開業)、中村社綱氏(熊本県開業)、筒井照子氏(福岡県)、白鳥清人氏(静岡県開業)による講演が行われ、CBCTの撮影原理とその的確な応用法について言及された。
各講演においては、インプラント治療、各種骨造成法、歯内療法、歯周再生治療、口腔外科治療(埋伏智歯抜歯)、破折歯接着保存治療、小児歯科治療、顎関節治療など、広範な領域におけるCBCTの応用例が語られた。
特に小児歯科治療への応用に関しては、被曝線量に十分留意しながら、小児患者の将来的な不正歯列の可能性などを診断し、コンサルテーションするためのツールとしてCBCTをきわめて有効に活用している事例が紹介され、会場の大きな関心を引いた。
講演後のディスカッションでは、CBCT画像診断の有効性のみならず、歯科医療全体についての展望が語られ、2日間にわたり盛況を博した本ミーティングを締めくくった。