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学会|2024年5月1日掲載

「地域にマッチした口腔ケアの普及のために」をテーマに

第21回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第4回国際口腔ケア学会総会・学術大会合同会議が開催される

第21回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第4回国際口腔ケア学会総会・学術大会合同会議が開催される

 さる4月27日(土)、4月28日(日)の両日、一橋講堂(東京都)において、第21回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第4回国際口腔ケア学会総会・学術大会合同会議(片倉 朗大会長、夏目長門理事長)が開催された。

 今回の合同会議は「地域にマッチした口腔ケアの普及のために」をテーマとし、地域医療を中心に、専門職種のセッションや異職種同士の合同シンポジウム、海外演者による講演などバラエティに富んだラインアップに年齢層の幅広い参加者が集結し、盛況となった。

 まず、1日目は開会プロローグ講演として垣添忠生氏(日本対がん協会会長)が登壇。「がんリテラシーと口腔ケア」と題して講演を行った。日本は超高齢社会となり久しく、長期生存患者や、がんサバイバーの高齢者の増加により、口腔ケアがさらに重要となっていると述べた。がんは慢性疾患であり、生活習慣などにより発がん物質と発がん促進物質の両方の蓄積で細胞が傷害されることで発病に至り、時間とともに段階をふんで発病・悪化していく経過を解説した。世界のがん対策の紹介や日本でのがん対策関連法案の変遷を述べ、口腔ケアに携わる医療者も「がんリテラシー」を学ぶ必要があるとした。がん患者は小児から高齢者まで、全世代に一定数患者が存在し、年代に応じた適切な口腔ケアが求められていることを述べた。ときおり映画や小説の記述を例に挙げながら、医療者にとっては当然の情報も、患者も理解し治療の今後を考えるために情報提供は重要であると強調した。

 摂食嚥下リハビリテーション委員会講演として戸原 玄氏(医歯大摂食嚥下リハビリテーション学分野)が登壇した。「これからの摂食嚥下リハビリテーション」と題し、「メタ認知」を切り口に講演された。摂食嚥下障害に対応する医療の進歩や薬剤服用ゼリーなど対処法や物資も充実してきたはずが、経過観察や既往歴の把握が不十分なことなどから機能回復の遅れや、薬剤服用に必ずしも有効でない場合などの弊害も起こっている現状を述べた。それをふまえて、弊害と思われる症例に遭遇した場合、演者の考える注意すべきポイントを解説した。そして、これからに向けて自らが行っている摂食嚥下にまつわるユニークな取り組みを複数紹介した。

 午後には、各会場で幅広い職種を網羅するセッションが多数開催された。整形外科領域の周術期口腔ケアと挿管患者への口腔ケアをテーマとした2つのコンセンサスカンファレンス、周産期口腔ケア推進委員会、在宅医療委員会、歯科衛生士セッション、看護部会講演、看護部会・歯科衛生士部会合同シンポジウムなど、多岐にわたった。参加者も各会場を活発に行き交い、賑わいをみせた。

 なお、次回、第22回総会・学術大会は、きたる2025年4月26日(土)、27日(日)の両日、朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター(新潟県)において開催予定である。

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