社会|2024年7月8日掲載

森末裕行氏、小田 憲氏が「Q&Aで疑問解決! 令和6年度歯科保険請求 虎の巻」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第54回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第54回WEBINARを開催

 さる7月4日(木)、森末裕行氏、小田 憲氏(ともに東京都開業)によるWEBINAR #54「Q&Aで疑問解決! 令和6年度歯科保険請求 虎の巻」(クインテッセンス出版主催、モリタ共催)が開催された。本セミナーは『歯科保険請求2024』とモリタ友の会限定の姉妹書『早わかり! ナビゲーションブック2024年歯科保険請求』のQ&Aの項目を中心に、おもに開業して日の浅い若手臨床家の疑問を小田氏が代弁する形で質問し、その疑問に森末氏が回答する形で進められた。

 冒頭、森末氏は歯科外来診療環境体制加算(外来環)1、2の廃止にともない入れ替わる形で新設された歯科外来診療医療安全対策加算(外安全)1、2、歯科外来診療感染対策加算(外感染)1~4に言及。特に追加事項として、外感染1の施設基準において以前は「歯科医師複数名、または歯科医師1名以上+歯科衛生士」とされていた施設基準が、歯科衛生士以降に「もしくは院内感染防止にかかわる研修を受けたものが各1名以上」との文言が追加され、施設基準の対象職種が拡張された点が強調された。

 次に、オンライン資格確認等システム導入の原則義務化をふまえて新設された、医療情報取得加算1~4の算定についてマイナンバーカード持参の有無、情報の取得に同意の有無による点数の違いを詳説。また、医療DXを推進する観点から厚労省より原則としてWebサイトへの掲載が定められている書面掲示事項について供覧し、2025年5月31日までの経過措置期間内に対応することを促した。

 続いて、旧かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の概念を踏襲しつつ名称変更がなされる形で新設された口腔管理体制強化加算(口管強)について解説。特に変更点として歯科口腔リハビリテーション料3の設置や、連携する歯科訪問診療を行う別の医療機関や地域の在宅医療の相談窓口との協議・連携によって歯科訪問診療に係る十分な体制が確保されれば自身が訪問診療を行わなくとも施設基準の要件を満たせるようになり、条件が緩和されたことが説明された。

 その後も、生活歯髄切断と抜髄時の麻酔薬剤料の算定が新たに認められた点、クラウン・ブリッジ維持管理料の対象から外れた歯冠補綴物、CAD/CAMインレーの形成・印象についての変更と新設項目なかでも自動練和型接着性レジンセメント(38点)の新設と適用製品、接着ブリッジの適応拡大などが共有された。

 最後に、歯周病重症化予防(P重防)と歯周病安定期治療(SPT)の算定要件の変更点についてもふられた。SPTにおける歯周病ハイリスク患者加算(80点)の新設(主治医からのカルテ添付が必須)とともに、口管強加算を届け出た歯科医療機関でSPTを算定した患者について、P重防に移行した際には毎月の算定が可能であることが明確になったことが述べられた。

 講演後の総括では、森末氏より「時間の関係上、要点を厳選して取り上げているため詳細については、『歯科保険請求2024』もしくは『早わかり! ナビゲーションブック2024年歯科保険請求』を参考にしていただきたい」、小田氏より「本講演は私自身も学びを得ることができました。両書籍を読み込んで算定に役立てたいと思います」とコメントがなされた。

 なお、モリタ友の会の会員については、無料にて2025年1月31日(金)まで振り返り配信の視聴が可能である。振り返り配信の視聴ページはこちら(モリタ友の会会員限定)。次回のWEBINAR #55は、きたる7月19日(金)、木村英隆氏(福岡県開業)を招聘し、「歯を救う歯周治療~歯周基本治療と歯肉剝離掻爬術を中心に~」の講演タイトルで開催予定。次回WEBINARのお申し込みはこちらから。

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