学会|2025年1月28日掲載

「継承 Inheritance」をテーマに

第22回日本歯科用レーザー・ライト学会総会・学術大会開催

第22回日本歯科用レーザー・ライト学会総会・学術大会開催

 さる1月26日(日)、株式会社ヨシダ(東京都)にて第22回日本歯科用レーザー・ライト学会総会・学術大会(南里嶽仁大会長)が行われた。

 今大会のテーマは「継承 Inheritance」で、本テーマに基づいた一般講演Ⅱ「私の歯科医療の歴史」津田忠政氏(東京都開業)、一般講演Ⅲ「親から見た親子継承」南里氏(福岡県開業)、特別講演Ⅰ「子から見た歯科医院の親子継承」藤本浩平氏(東京都開業)の3題が行われた。近年、歯科医師の高齢化による「継承者がいない」旨の閉院が増えているとされており、これから避けてはとおれない事象といえる。

 また、特別講演Ⅱでは「組織再生とphotobiomodulation」横瀬敏志氏(明海大学教授)が行われ、LLLT(Low-Level Laser Therapy)、LLLI(Low-Level Laser Irradiation):低出力レーザー治療をphotobiomodulationと置き換え、「細胞機能にはたらきかけ、細胞増殖や分化を促進し、痛みの軽減や治癒を早める効果」に着目して講演された。横瀬氏はかねてより各種波長のレーザーを用いてphotobiomodulationを模索しながら、研究結果を積極的に紹介されており、もともと病理出身の知識を生かして、現専門領域のエンド関連のキャビテーション効果(Er:YAGレーザー)をはじめとして、新たな適応症を模索している姿勢は非常に推進力を感じさせる。組織切片と臨床例を駆使した講演は圧巻であった。

 時間の都合で1演題「学会長講演:レーザー治療の得意性を伸ばす」(南里氏)がキャンセルとなったが、次回(来年)の学術大会に期待したい。閉会式の折にはこの学会の生みの親である松本光吉氏(昭和大学名誉教授)の訃報も報告され、黙祷が捧げられた。

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