社会|2025年3月10日掲載
クインテッセンス出版株式会社、第68回WEBINARを開催
安斉昌照氏が「迷わないGBRの材料とそのレシピ」をテーマにWeb講演

さる3月6日(木)、安斉昌照氏(神奈川県開業)によるWEBINAR #68「迷わないGBRの材料とそのレシピ」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、安斉氏と中田光太郎氏(京都府開業)の共著『ベーシックGBR もう迷わない骨補填材料&メンブレンの材料選択と術式』の内容を基に行われた。
講演の冒頭で安斉氏は、GBRは骨の再生を促すことが目的で、骨の再生をいかに整えるかが重要であると強調した。そして、予知性の高いGBRを成功に導くには、PASSの原則、すなわち、1)一次創傷閉鎖の達成(Primary wound coverage/closure)、2)血管新生の担保(Angiogenesis,Adequate blood supply)、3)スペースの獲得(Space creation/maintence)、4)骨組織再生の場の安定の確保(Stability of wound)を達成することがカギだと述べた。
次に、骨壁数に応じてGBRの難易度が変わってくることをシェーマを用いて示し、おもに内側性GBR、外側性GBR、水平的GBR、垂直的GBRの順で難易度が上がっていくと述べた。加えて、GBRの難易度別に骨壁数と形態に応じた材料選択として、骨補填材料とメンブレンがそれぞれどのような組み合わせがふさわしいのかを詳説した。
続いて、GBRのベーシックな症例からアドバンスなケースまで4症例を供覧した。演者は日頃、骨欠損を水平・垂直に分けてベクトルで示したミシガン分類のチャートを活用していると述べ、チャートにあてはめて術式の選択や、各症例で用いている材料から臨床テクニックに至るまで、動画を交えて解説された。
最後に、これからGBRを行う先生に向けて、「難易度の低い内側性GBR、そのなかでも骨壁数が多いものから行っていただき、たくさん成功体験を積んだあとに、難易度の高い外側性GBRにチャレンジしましょう」とメッセージを送った。
講演後の質疑応答では、オトガイ下動脈や舌下動脈を傷つけずに剥離するコツや、抜糸のタイミング、Tiハニカムメンブレンがうまく固定できないときの対処法など、さまざまな質問が寄せられた。
なお、本講演の振り返り配信は、2025年6月6日まで購入・視聴が可能である。次回のWEBINAR #69は、きたる3月12日(水)、小林 平氏(日本大学松戸歯学部)、佐久間利喜氏(新潟県開業)、菅原佳広氏(新潟県勤務)、 三橋 純氏(東京都開業)、コーディネーターの辻本恭久氏(日本大学松戸歯学部)による「マイクロスコープを用いた精密補綴処置」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。