学会|2025年2月4日掲載
「根管治療後処置の最新情報~ファイバーポストからエンドクラウンまで」をテーマに
関東歯内療法学会、第23回学術大会を開催
さる2月2日(日)、日本歯科大学生命歯学部富士見ホール(東京都)において、関東歯内療法学会第23回学術大会(北村和夫大会長、澤田則宏会長)が「根管治療後処置の最新情報~ファイバーポストからエンドクラウンまで」をテーマに開催された。
午前は、金丸順策氏(東京都開業)、三橋 晃氏(神奈川県開業)の座長のもと、テーマ講演が行われ、吉居慎二氏(九州歯科大学)が「エンドクラウンの特長と臨床」、坪田有史氏(東京都開業)が「再根管治療を意識した支台築造」、渥美克幸氏(埼玉県開業)が「直接法接着支台築造の勘所」の演題で登壇した。なかでも渥美氏は、支台築造の目的を補綴治療的には形態の回復、歯内療法的には感染経路の遮断であるとしたうえで、直接法を行う際の注意点や使用する材料の特性について、文献を示しながら解説した。
午後は、三橋 純氏、西田太郎氏(ともに東京都開業)の座長のもと、一般口演として、梅田貴志氏(東京都開業)、大森智史氏(東京科学大学)、中山 敦氏(東京都開業)、中島 龍氏(東京歯科大学)、柿沼秀明氏(埼玉県開業)の5名が登壇。外科的歯内療法を用いて複数歯の病変に対処した症例やCAD/CAMによる即日接着修復を行った症例など、さまざまな内容が展開された。
その後、第22回学術大会にて鈴木賢策賞を受賞した牧 圭一郎氏(東京科学大学)が、受賞講演として、澤田氏(東京都開業)の座長のもと「逆根管治療における観察の重要性-3根管を有する下顎第一小臼歯に対する逆根管治療-」の題で講演した。牧氏はまず、逆根管治療のワークフローおよび治療の成功率について解説した。その後、3根管およびイスムスを逆根管窩洞形成したうえで、逆根管充填を行った症例を供覧した。その際、逆根管治療では処置後の経過観察が重要であると述べた。そして、さらなる経過を報告し、この症例では患歯が術後3年で抜歯に至ってしまったと説明。しかし、症例を振り返り、答え合わせをすることが重要であると締めくくった。
講演後は隣接会場にて懇親会が開催され、盛会裏に幕を閉じた。なお、関東歯内療法学会第28回サマーセミナーは、きたる8月28日(木)に開催される。