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大学|2024年4月5日掲載

大阪大学

薬用マウスウォッシュが糖尿病の病態改善に寄与

うがいによる糖尿病の改善メカニズム(プレスリリースより編集部作成)。
うがいによる糖尿病の改善メカニズム(プレスリリースより編集部作成)。
 2月19日(月)、国立大学法人大阪大学(西尾章治郎総長)は、歯学研究科口腔全身連関学共同研究講座の又吉紗綾氏(同特任講師・常勤)、伊藤直人氏(同招へい教員)、仲野和彦氏(同教授)らの研究グループによる2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行うことによって、血糖コントロール状態が改善されることを明らかにした研究成果(英国科学誌「Scientific Reports」に2月2日より公開)をプレスリリースにて発表した。

 これまでに、歯科医院での治療によって歯周病の改善だけでなく糖尿病患者の血糖コントロール状態の改善にも寄与することは報告されていたが、2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いたうがいによって口腔および全身状態にもたらす効果は明らかにされていなかった。

 そこで研究グループは、糖尿病クリニックを受診中の2型糖尿病患者 173 名に対して調査を行い、水道水でのうがい半年間とクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いたうがい半年間とで、歯周病菌種数の変化と血糖値の変化を比較した。その結果、クロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いたうがいでは、口腔内に存在する悪性度の高い歯周病菌種が減少するとともに、比較的若い2型糖尿病患者の血糖コントロール状態が改善されることが明らかになった。

 家庭で簡便に行えるうがいにクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いることで、歯周病の改善だけでなく歯周病によって惹起される血糖値上昇の改善にも期待が高まる。

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