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同窓会|2023年4月5日掲載

大阪大学歯学部同窓会

臨床談話会を開催、講師に長谷川誠実氏を招聘

長谷川誠実氏より「エンド由来歯痛」をテーマとした講演が行われた。
長谷川誠実氏より「エンド由来歯痛」をテーマとした講演が行われた。
 2月19日(日)、大阪大学歯学部同窓会(谷口 学会長)による第560回臨床談話会が、大阪大学歯学部記念会館(大阪府)およびWeb配信にて開催された。今回は講師に長谷川誠実氏(大阪府勤務)を迎え、「エンド由来歯痛を正しく理解するために―エビデンスからナラティブへ―」をテーマに講演が行われた。

 冒頭、長谷川氏はエンド由来歯痛は「トリガーを刺激して特定の歯が痛む」、「歯に根管治療上の問題がある」、「根管治療の診断と処置に齟齬を生じている」ことを挙げ、非歯原性歯痛とは似て非なるものという概念を提示した。また、痛みの原因を探る基本となる診査項目としてP(Provocation/Palliation)、Q(Quality)、R(Region)、S(Severity)、T(Time)――5つを紹介した。

 慢性歯痛治療においては、器質的要因を見逃さないことが第一に要求されるが、それだけでは解決できず、治療の選択においてはナラティブベースの解析が必要であるとした。なかでも、ナラティブベースによる解析において実際に患者さんに書いていただいた「痛み日記」を紹介し、慢性痛治療においての「痛み日記」に記載していただきたい必要情報なども含め、活用法や重要性を解説した。

 その後はペインクリニックから紹介を受けたエンド由来歯痛治療の臨床例について解説。治療の流れや、これまでに説明した項目を実際にどのようにして臨床に取り入れているかを詳説した。そして、エンド由来の歯痛を起こさないための予防の重要性を説明し、発症してしまった際の対処方法にも言及された。

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