政治|2024年6月17日掲載

歯科職種の人材確保など、課題について議論が交わされる

日歯、第203回定時代議員会を開催

日歯、第203回定時代議員会を開催

 さる6月13日(木)、14日(金)の両日、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、高橋英登会長)による第203回定時代議員会が開催された。

 開会後、高橋会長は挨拶のなかで、今年度に執行部で実施した事業について報告。令和6年度診療報酬改定への対応、タスクチームの設置、令和6年能登半島地震への対応、歯科衛生士および歯科技工士関係団体との協議会の設置など、10項目に及ぶ事業に取り組み、いずれも一定の成果が得られたことをアピールした。また、11日に政府の経済財政諮問会議が示した「経済財政運営と改革の基本方針2024(いわゆる骨太の方針2024)」の原案についてふれ、予算につながる歯科に関する記載が増えることに期待を寄せた。

 続いて、太田謙司氏(日本歯科医師連盟会長)、山田 宏氏、比嘉奈津美氏(ともに参議院議員)、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、柘植紳平氏(日本学校歯科医会会長)より来賓挨拶が行われた。

 その後、各担当理事より一般会務報告などが資料をもとに行われた。決議事項では、第1号議案「令和5年度貸借対照表及び正味財産増減計算書並びにこれらの附属明細書、財産目録及びキャッシュ・フロー計算書承認の件」、第2号議案「裁定審議会委員指名の件」、第3号議案「選挙管理委員会委員指名の件」の全3議案が上程され、すべての議案が承認された。

 その後は2日間にわたり、地区代表事前質問7題と個人事前質問28題に対する答弁が行われた。地区代表事前質問では、歯科医師需給問題をふまえた歯科医師国家試験の適正化や歯科診療車の配備などが出された。また、個人事前質問では前者のテーマに深く言及がなされ、「日歯は以前より地域偏在の観点から単純に合格者の総数を増やすことには慎重な姿勢を示していたものの、近年ついに歯科医師総数が減少局面に転じてきた。現在の合格者数ありきの事実上の『選抜試験』のような構造から『資格試験』としてあらためるべきでないか」との意見が述べられた。そして、加速度的に進む歯科技工士養成校への入学者減少、特に地方で進む廃校や定員割れをはじめ歯科職種の人材確保・処遇改善など、差し迫った課題における具体的な対応方針が追及され、積極的な議論が交わされた。

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