社会|2024年6月27日掲載

森本太一朗氏が「ザ・ソケットプリザベージョン~初心者でもできる低侵襲でシンプルな、骨造成~」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第53回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第53回WEBINARを開催

 さる6月26日(水)、森本太一朗氏(福岡県開業)によるWEBINAR #53「ザ・ソケットプリザベージョン~初心者でもできる低侵襲でシンプルな、骨造成~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、森本氏の書籍『必ず上達 ソケットプリザベーション インプラント初心者でもできる骨造成』の内容をベースに行われた。

 冒頭、森本氏は本講演タイトルにある「ソケットプリザベーション」の定義について言及。ソケットプリザベーションは、抜歯窩に骨補填材を填入することで抜歯後の歯槽骨吸収を低減させる治療法であり、リッジプリザベーション(歯槽堤保存術)の治療法のひとつであることを紹介した。そして、導入として「メンブレンの使用や創の閉鎖の有無などの違いによるさまざまな術式が提唱されているが、どの手技がすぐれているかの結論には至っていない」と付け加えた。

 次に、ソケットプリザベーションを成功に導く要素として、可能な限り1)切開しない、2)必要以上に大きく剥離しない、3)タックを使わない――の3つを挙げ、その利点として順に、粘膜の封鎖性の向上、メンブレン安定性の確保、1)と2)により粘膜でメンブレンの安定化に寄与しその結果シンプルで低侵襲な治療の実現につながることを詳説した。あわせて、フラップ形成の長所・短所やメンブレンの役割についても説明し、骨を定着させるにあたりソケットプリザベーションからインプラント埋入まで、5~6か月ほど期間を設けることを推奨した。

 続いて、残存骨形態をLEVEL1(骨欠損なし)からLEVEL 5(垂直性の頬側骨+舌側骨欠損)まで難易度評価した分類を供覧。それぞれのLEVELに応じた治療デザインや留意点について解説がなされた。

 講演終了後の質疑応答では、事前質問も含めて数多くの質問が寄せられた。なかでも頬側骨欠損症例における感染組織の掻爬の質問には、「メンブレンの外の肉芽を多少残しても骨形成を阻害する要因にはならないため、骨補填材の填入が可能なスペースが確保できれば十分である」との助言が送られた。

 本講演の振り返り配信は、2024年9月26日まで新規購入が可能である。次回のWEBINAR #54は、きたる7月4日(木)、森末裕行氏、小田 憲氏(ともに東京都開業)を招聘し、「Q&Aで疑問解決! 令和6年度歯科保険請求 虎の巻」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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