社会|2024年6月17日掲載

「ライフステージに応じたフッ化物の使い方」をテーマに

はみがき学の会総会開催

はみがき学の会総会開催

 さる6月16日(日)、日本歯科大学東京短期大学(東京都)において、スタディグループ「はみがき学の会」総会(高柳篤史代表)が開催された。同会は、歯磨きなどのセルフケア行動に関して科学的に検証を行い、日常臨床に活かしていくことを目的に月1回の例会や年1回の総会を基本として活動している。今年の総会では、「ライフステージに応じたフッ化物の使い方~セルフケアとプロフェッショナルケアの両面から考えよう!~」をテーマに開催された。

 講演1では、高柳氏(埼玉県開業)が「ライフステージに応じたフッ化物の使い方」と題して登壇。フッ化物配合歯磨剤の活用を基本に、フッ化物の局所応用および全身応用の取り入れ方やより効果的な予防法などを世代ごとに解説した。なかでも高齢期においては、昨今、根面う蝕が問題視されている。歯の再石灰化には唾液が欠かせないが、服薬などにより唾液分泌低下が起きると脱灰を防止するのはきわめて困難となる。そのため、唾液分泌低下する前からフッ化物歯面塗布による根面の過石灰化を図ることが重要とした。

 講演2では、山岸 敦氏(東歯大客員講師)が「最新トゥースペーストテクニック:PTD法の理論と実際」のテーマで登壇。フッ化物配合歯磨剤の効果を得るためには「濃度」「時間」「届ける」がポイントとなり、それらをふまえたイエテボリ法が広く知られているが、より効果的な「PTD法」の開発に至ったため、方法および効果について解説した。PTD法は、通常のブラッシングの前に、指ブラシ(シリコン製)やグローブを付けた指でフッ化物配合歯磨剤を歯間部に押し込むというもの。このステップを取り入れるだけで薬効を高められるため、多くの方に導入してほしいとした。

 最後に、歯科衛生士による昨年の学会発表の報告および質疑応答が行われた。

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