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学会|2024年8月21日掲載

「ライフステージを考慮した歯周治療~老年期・フレイル期~」をテーマに

日本臨床歯周病学会関東支部、第97回教育研修会・第42回歯科衛生士セミナー合同研修会を開催

日本臨床歯周病学会関東支部、第97回教育研修会・第42回歯科衛生士セミナー合同研修会を開催

 さる8月18日(日)、KABUTO ONE hall&conference(東京都)において、日本臨床歯周病学会関東支部 第97回教育研修会・第42回歯科衛生士セミナー合同研修会(神山剛史支部長)が開催され、現地には約250名が参加し盛会となった。

 今期の関東支部の研修会では、歯周治療を「若年期」「中年期」「高齢期」「老年期・フレイル期」の4期に分けて、各年代へのアプローチを掘り下げている。第4回目となる今回は、老年期・フレイル期の患者への対応をテーマに会員発表7題(歯科医師4題、歯科衛生士3題)と文献委員会発表、特別講演、そして学生プログラムが行われた。

 午前の会員発表では、畦柳沙織氏(埼玉県勤務)、富樫裕一郎氏、松本圭史氏(ともに東京都開業)、長野泰弘氏(茨城県開業)が歯周炎やインプラント周囲炎へ対応した症例について講演を行った。なかでも松本氏は、中年期や高齢期との対応の違いなどについてもふれ、初診時74歳のインプラント治療ケースを挙げた。侵襲性の高い治療であっても適切に行えば、老年期患者のQOLを向上できるとした。

 午後には、千葉英史氏(千葉県開業)による「長期経過の老年期患者に学ぶ歯周治療の基本」と題した特別講演が行われた。まず、メインテナンス中に患者が老年期(本講演では80歳以上と定義)を迎えた症例を複数供覧し、老年期の歯周炎患者に対するアプローチやその考え方について詳説した。歯周炎は生活習慣病であるため、患者の生活習慣を整えることがいちばん大事であるが、老年期では歯周組織や免疫機能の老化により、生活習慣の改善だけではどうにもならないこともある。そういった際は、抗菌療法も選択肢の1つになりうるとした。そののち、本研修会のテーマである「ライフステージを考慮した歯周治療」の総括として、若年期、中年期、高齢期の患者への対応をそれぞれ解説した。若年期であれば再生能力が高く改善がおおいに期待できること、中年期は生活習慣の改善が難しいが、ここで治療できれば80歳までは歯を守れることなど、それぞれのライフステージにおける氏の考え方を示した。

 質疑応答では、千葉氏の長期症例に対して、多数の質問、賛辞の声が上がり、明日への臨床に直結する会となった。

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